まあでも、ぬるい邦画の暴力描写や、ゲーム感覚のハリウッドの暴力描写にくらべて、韓国映画の暴力描写は、正しいとは思います。見てるのが辛い、気分が悪くなるのが暴力描写だから。
話はスパイもの。CIAから韓国情報局のチャン・ドンゴンに北の要人の子息イ・ジョンソクを亡命させて保護するという話が持ち込まれる。CIAの目論見は、そいつの親が北朝鮮の金庫番で秘密口座の情報を息子であるそいつに託してるので、それをアメリカが奪いたい。
韓国の情報局はCIAにうまく使われちゃってるわけです。イ・ジョンソクは殺人鬼で人殺しが趣味なので、あちこちで連続殺人を起こしている。CIAはこんなやつをアメリカに連れて行ってアメリカ国内で事件をおこされちゃ困るので韓国にこの話をもっていった。
イ・ジョンソクは親父が権力者だし、自分は重要情報を握っているので、誰も手出しできないと思ってやりたい放題。刑事のキム・ミョンミンや情報局のチャン・ドンゴンになめた態度を取り続ける。
CIA、韓国情報局、刑事、北から来た工作員がイ・ジョンソクを巡って血みどろの戦いを繰り広げる。政治っていうか、権力のパワーゲームでもあるわけだけど、結局、決着は暴力によってなされるっていうのが面白いところです。
しかし、イ・ジョンソクを野放しにしすぎでちょっと笑っちゃったね。情報局の監視はガバガバだし、隙があったら人を殺そうとするようなやばいやつなのに、手錠をすぐはずすし、目を離す。おいおいちゃんと仕事しようよみたいな。