北大路欣也が木こり役なんすけど、体型がすごい。ちょっとした相撲取りみたいな分厚い胸板と腹で本物の山男に見えます。筋トレとかボディビルとかでは作れない体型に見えたけど、ほんとに木を切ったりして鍛えたのかな?
そんな北大路欣也が木を切ったり、猟犬をしつけたり、猿を撃ったり、安岡力也たちとふざけあったりするのを描写していきます。ほんとこれ映画なのか?みたいな。漁村山村で暮らす人々のホームビデオかなんかかなみたいな。
犬が出てくるんだけど、あれってほんとの猟犬ですかね。サークルの中でイノシシを追い回して攻撃しまくるトレーニングやってて、ほんとの猟犬なのかなみたいな。よくある撮り方と編集でそれっぽく見せるんじゃなくて、ほんとに犬がイノシシを攻撃しまくってて、リアル志向な作りでした。
北大路欣也はほんとの木こりに見えるし、菅井きんや宮下順子、安岡力也らもほんとにその村に暮らしてる人に見えるぐらいリアル感があります。太地喜和子も悪女って感じでしたけど、彼女はなんか方言のイントネーションがおかしかったな、ひとりだけ。
どこの方言なのかっていうか、なんかカタコトに感じるセリフ回ししてるところがあってなんか変だったな。
いちおう事件ぽいことはちょこちょこあります。魚の養殖いけすに重油がまかれて魚が全部死ぬ事件が2度起きる。スナックの性悪女、太地喜和子が色仕掛けでいろんな男から金借りて、なんか揉め事になりそうになる。
弟がなんか山の大事な神木かなんかを知らずに切って罠の材料にしたから不吉だとかもあったかな。北大路欣也はまったく気にせず、謝罪に神さまに男の下半身見せたれとか言ってた。
村に開発の波が押し寄せていて、海底水族館だかなんだかの建設話が持ち上がっていて土地の地上げが始まってたりする。
そんな感じの事件なのかなんなのか、なにか起きそうなのか起きないのか、よくわからない木こりの生活描写が続く。ときどき、武満徹の不穏な音楽が挿入されるから、なにかあるのかなっていう雰囲気はあるんだけど、なにもありません。
最後に衝撃的といっていいのかな、おいおいどした?みたいな急展開がおきますが、それもなぜなのかいまいちよくわからないので、なんなんだろうっていう違和感しかおぼえない。
北大路欣也が法事に集まった姉たち、嫁、自分の子供、全員を猟銃で撃ち殺したのち、自分も自殺するというラストです。それを目撃した保母さんの森下愛子が腰抜かす。弟は殺されなかったのかな、どうだったかな。
山の神と交信した北大路欣也が自らの家族と自分を生贄として神に捧げたということなのか。
うーん、いったいなにがなんだかっていうのが正直のところです。でも、けっこうおもしろく見れたけどね。火祭りのシーンもおもしろかったし。あれってほんとうにどっかの地方でやってるお祭りなんすかね。
夜の山で男どもが松明もってボコボコ暴れまわって山道を大群で走り回る祭り。映像はおもしろいところけっこう多いんすよねえ。村の若者、川上麻衣子と男たちが竹の子族みたいにラジカセで音楽かけて踊るシーンとか変で楽しいですし。