何もかもダメになったと自暴自棄になってて、法律を破ることも、犯罪をおかすことも、警察に追われることも、死ぬこともなんも感じなくなってる男。冒頭でラッセル・クロウが家に押し入って人殺しして家に放火するというハードなシーンが描かれます。こいつやばいみたいな。
見た目もすごいんすよ。まるでクマ。野生のクマが町中にあらわれた!みたいな、そこにいちゃいけないものがいるみたいな異物感がすごい。太ってるとかいうレベルじゃないっすね。全体がでかい。そんなやつが凶暴に暴れまわるんだから怖い。
カレン・ピストリアスはぐうたらママ。また寝坊で遅刻だ遅刻って感じで、いつも遅刻してるみたいです。その日も渋滞にはまって遅刻。息子の学校に遅れそうだし、自分の仕事にも遅刻で、キャンセルするという電話で仕事を失う。
そんなことがあって気持ちがイライラしてて、あせって運転してるときに、信号待ちで信号がかわったのに前の車がすぐに動かないから、クラクションを鳴らしまくって追い抜いていく。そしたらその車にのってたのがラッセル・クロウで標的としてロックオンされてつきまとわれるってわけ。
車で追い抜いたり、クラクション鳴らしたりしたことから始まる恐怖っていうのは、昔からよく映画で描かれてますね。そういうパニックスリラー。
これはラッセル・クロウ側を主役に描けば、マイケル・ダグラスの「フォーリング・ダウン」みたいな映画にもなるだろうね。
しかし、この映画の主人公にはあまり同情できない。ラッセル・クロウがめちゃくちゃで悪いのは悪いんだけど、カレン・ピストリアスもたいがい悪いやつに見えたなあ。
ラッセル・クロウがからんできたときに、俺もあやまるからあんたも謝ってそれでチャラってことにしようやって、本気か嘘かわからんけど、ラッセル・クロウが言う。そこで謝ればなにもなかったかもしれないけど、カレン・ピストリアスはわたしは悪くないから謝らないって突っぱねるわけ。
なんか性格的に、わたし悪くない、悪いのは周囲だって思うくせがある人みたいだったなあ。遅刻は渋滞のせい、仕事は遅刻ぐらいでキャンセルする客が悪い、わたしはなんも悪くないって普段から思ってそうなキャラになってました。
そうやって周囲に責任転嫁してやってきた主人公に罰をくだすためにやってきた悪魔がラッセル・クロウってわけ。わたしは悪くない、あんたが悪いんでしょうが通用しない相手なわけです。
もうめちゃくちゃ。主人公の家族を狙って襲っていく。弟だっけ。とっ捕まえて、姉ちゃんのせいでこんなことになりましたっていう手紙をかかされて、火をつけられたりします。おまえのせいでこうなってるって思いしれっていうね。
主人公に改心させるための試練かみたいな。結局主人公がラッセル・クロウの目玉にハサミを突き刺して勝利する。主人公は車を運転してて、急に車が飛び出してきて、クラクションをならしかけるけど、思いとどまるみたいなエンディング。
ラッセル・クロウにかかわったことで、主人公も反省したのかな。まあとにかくラッセル・クロウの怖さがすごい映画だったです。