けっこう残念な出来だったかなあ。テレビの人気ドラマに主演して人気急上昇中の若手俳優キット・ハリントンが死んだ。彼は11歳の少年ジェイコブ・トレンブレイと長い時間文通していた。人気俳優の家族とのドラマと11歳の少年の家族のドラマを描くって感じの話。
なんかこの2つのドラマがうまく噛み合ってないというか、別々の話になってるというか、個々のエピソードが散文的に並んでるだけというかんじでした。もっと俳優と少年のことをメインに描いてほしかったなあ。
完全に別々の話になってんすよ。人気俳優は母親との関係は微妙だし、ゲイということも秘密にしてて人気はすごいけど孤独で不幸そうです。生きづらそう。
11歳の少年のほうは、母親がナタリー・ポートマンなんすよ。それで元俳優で夢を諦めて夫とも別れちゃって、逃げるようにイギリスにきた母子家庭。少年は子役やってるみたいです。学校ではいじめっ子に目をつけられて絡まれるし友達もいないしで孤独。
唯一の楽しみがキット・ハリントンが主演しているテレビドラマ。キット・ハリントンが超能力をもってる高校生を演じてるサイキックハイスクールもので、ジェイコブ・トレンブレイはキット・ハリントンに夢中なんすよ。
ナタリー・ポートマンが子役のお母さん役やってるのが笑えた。子役からキャリアを積んでいったナタリー・ポートマンが、そういう役やるような年齢になってんだなあって。
で、少年はファンレターを出す。それに返事が来た。そこから彼らの文通が始まって何年も続く。内容は他愛も無いことで、演技のことや日常生活のことやらなんやらなんだけど、この文通が少年の心の支えだったわけです。
それで学校の課題発表でキット・ハリントンと文通していることを題材に発表したら、いじめっ子に手紙をとられてそれを取り返そうと家宅侵入して警察につかまってということから、手紙の内容が流出。騒動がおきるっていう展開。
なんだけど、別々のことなんすよねえ。俳優と少年の話が。なんかどこまでいっても別世界のことで全然地続きの出来事に描かれてない。
俳優は少年との文通もゲイ疑惑も秘密にやっていくという道を選んだことで、周囲から見捨てられる。子供と文通なんかやってないよってうまく火消ししたつもりが、そんな不正直な生き方しかできないやつのマネージメントはできないとエージェントのキャシー・ベイツから見放されて、欲しかった役ももらえず俳優としてのキャリアが止まってしまう。
孤独を癒そうと男娼俳優の彼の家に行くと、ぼくとのことを秘密にし続けるような関係は続けられないと拒絶される。実家に帰ってアル中の母親とけっこういい感じに和解したけど、この先の人生どうしたらいいのかみたいに悩んで死んでしまったということかな?
そういう話を大人になって俳優やってる少年がインタビュアーに語るという形式になってて最後は元少年がインタビューを終えてカフェを出ると恋人の男が待っててバイクに二人乗りして去っていきます。
なんだろ。人気俳優はカミングアウトもできず息苦しく死んでいったけど、彼との文通をとおして生き方を選ぶことを学んだ少年は自分の生き方を隠さず幸せに生きているっていうラストなのかな?
うーん、なんかよくわからない。