ジェイソン・ステイサム映画としてはいつもの安定した高クオリティで安心して見てられます。おもしろいかどうかは別だけど。監督はガイ・リッチーなんだ。ひとつの事件を時間軸を移動しながら、時系列をいじって描写していくサスペンスっていうのはガイ・リッチーっぽいスタイルですね。
リメイク元のブルー・レクイエムも見たことあると思うけどあんまり覚えてないけど、けっこう渋めの話だったような気がする。孤独な男の孤独な戦いを描くみたいな感じだった。それがこのステイサムバージョンでは組織犯罪者っぽい感じになってた。
原作もそうだったかな。原作は普通のおじさんだったような気がしたけど違ったかな。普通のおじさんが執念で復讐するっていうところが渋くてよかったんだけど、そこがばっさり違うテイストに変えられてる。
ステイサムが組織のボスみたいな感じなんすよ。それで部下を使って息子を殺した襲撃犯を探す描写があるんだけど、ジェイソン・ステイサムが完全に裏社会の怖い組織のボスって感じに描かれてて、なんかなんでもありな感じになってて緊迫感がなかったです。
よくわからない素性不明の男が現金輸送専門の警備会社に入って、なにかを調べてるっていう謎めいた出だしなんだけど、すぐにステイサムが好き勝手するステイサム無双になってて、謎めいたっていう部分がまったくなくなってしまうのが残念ですね。
まあ残念というか、ステイサム無双なんだからそうこなくっちゃっていうことかな。ステイサムは偶然現金輸送襲撃の現場に居合わせて、一緒にいた息子を殺されてしまう。襲撃犯に復讐するために裏社会で情報を得てそれらしいやつらを片っ端からボコるんだけど見つからない。
最後の手段ということで現金輸送専門の警備会社に潜り込む。襲撃犯には内部協力者がいたはずで、そいつを見つけることで犯人たちに辿り着こうってわけ。それに襲撃犯が裏社会のグループならまた現金輸送を襲撃する可能性もあるから。
その作戦が大当たりしてじょじょにステイサムと犯人とが接近していき、最後に激突するってわけです。
ステイサムは復讐の鬼なので容赦ない。むちゃくちゃやるし、犯人側のやつらも元軍人たちであらっぽいやつらが揃ってるうえにロクでなしもいるので裏切りでめちゃくちゃになる。スコット・イーストウッドがロクでなし役ででてくる。
クリント・イーストウッドの息子だけど、スコットはこういうろくでなし役で見かけることが多いような気がするなあ。気のせいかな。アウトロー役っていうかさ。親父がアメリカマッチョを代表するような正義漢の役をやってスターになったのとは真逆だね。
父親がやる役に退治されるような役を息子がよくやってるというのがおもしろい。まあ、ステイサム無双を楽しみたい人、犯罪グループの銃撃戦ものが好きな人にはおすすめの映画ですね。