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『タリーと私の秘密の時間(原題:Tully)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


ひとりでよく頑張ったなってタイラー・ダーデンかよ。なんかもう、見終わったとき涙出てきたわ。孤立無援で孤軍奮闘すぎて。育児ドラマ。あやしい邦題ついてるから、犯罪ミステリーかなんかかと思ったけど、中身はシャーリーズ・セロンが大柄に役作りして3人の子供の世話する肝っ玉かあさんを演じてる家族ドラマ。

シャーリーズ・セロンの家は小さいこどもが二人いて、今また3人目が生まれようとしてるとこ。男の子のほうがちょっとADHDみたいな感じで学校で問題おこしたり日常生活でも言うこときかなかったりで相手するだけでくたくた。

朝から晩まで子供のこと家のことでくたくたなのに3人目が生まれようとしてる。旦那は出張が多くて家のことを率先してやってくれるわけじゃない。見るからにシャーリーズ・セロンやばいんですよ。疲労困憊してていつ倒れるかみたいな。

それで兄貴のとこに食事会で行ったときに、プレゼントされるんすよ。ナイトシッターを雇ってくれるって。兄貴は金持ちで、子供たくさんいるんだけど、金銭的に余裕あるからシッター雇ったり人にまかせたりできるから兄貴の奥さんは優雅にやってます。

シャーリーズ・セロンの大変な様子を見かねて兄はシッターを使ってみろっていうんだけど、シャーリーズ・セロンは家に他人がはいってなんかするのも嫌だし、他人に子供をまかせるのは抵抗あると最初は断る。

人に頼るのが苦手な人。

でも、あるときもう限界だわってなってシッターを呼ぶわけ。夜の赤ん坊の世話をしてくれる夜だけのシッター。家に来たのは若い個性的な女性タリー。赤ん坊の世話はうまいし、部屋の掃除も完璧、マフィンなんか焼いてくれたりと大活躍。

タリーのおかげでぐっすり眠れるようになったシャーリーズ・セロンはこころに余裕がうまれて生き生きと生活しだす。そう、途中まではこんな感じでハートフルなヒューマンドラマって感じなんすよ。

それがタリーの正体が実は、っていうのがわかってから、なんちゅう辛い話だったのかって、もう涙でてくる。

タリーっていうのは、シャーリーズ・セロンの旧姓で、タリーはシャーリーズ・セロンの心が生み出した、若い時の自分の幻影だったのです。ナイトシッターはいなかった。シャーリーズ・セロンがワンオペで睡眠時間を削ってあれこれやってただけだった。

もうダメだ、限界だっていう状況になって、シャーリーズ・セロンは誰に頼ることもできず、さらに自分を追い込んでひとりで頑張ってたわけです。

若いときの自分の幻を呼び出してまで。いやもう、「ファイト・クラブ」じゃないかこれは。寝てると思ってたらもう一人の人格がいろいろしてたって。

おまえはひとりでよくここまで頑張ったって、いやがんばらないでほしいよ。涙出てくるし。まあ、わかるけどなあ。旦那は赤ん坊が泣いても起きないし、子供と遊んで少し相手したらそれで子育てしてるつもりになる頼りにならないやつだし。

呑気にヘッドホンしてテレビゲームしてる旦那。呆れて怒る気もおきないだろうね。疲労の限界きてるときに、ああいうのを見たら怒るのも疲れるからなんも言わないだろうなあ。

男のほうは、なんも言わないってことは大丈夫ってことだから、俺はゲームでもやっとこうって感じの生き物だからなあ。大変なら言ってくれたら手伝うのになんで言わないの?とか本気で思ってるからね、男は。

言わないとわからない、言わないと当事者意識がわかないということに怒りと呆れがわくのだが、そこに気が付かない。というか大変だからはなから自分が主体的に子育てや家庭の雑事をやろうという気がないのかもなあ。

最後のほうで夫が完璧じゃなくていい、君がいてくれるだけでいいんだとか言ってたけど、いや、そんなこと思ってるなら最初からシャーリーズ・セロンがボロボロで危ないのに気がつけよって思ったけど。

夫は掃除も洗濯も赤ん坊の世話もしない。散らかってても別に気になんないし、僕は母乳でないから赤ん坊が夜泣きしても出番ないだろって、アホ丸出しなやつ。

病院の人に、シャーリーズ・セロンは疲労困憊で精神追い詰められてやばい状態ですよ、あなた家に一緒にいたんでしょ?って聞かれてましたけど、男の当事者意識の薄さっていうかさ、大変なことを無視する鈍感さがなんかリアルだったなあ。

ナイトシッターきたって言われても会って確認もしないのはいくらなんでも不自然だと思ったけどね。家のことまったく無関心でもシッター来たって言われたら挨拶ぐらいするんじゃないかと思ったけどね。

まあ、シャーリーズ・セロンは孤軍奮闘ですよ。搾乳機で母乳を絞り出してるシャーリーズ・セロンの姿が弾薬ベルトまいて次の出撃を待ってる戦場の兵士にしか見えない。

シャーリーズ・セロンは子供のことを他人任せにしたらなんか罪悪感感じるから全部自分でしたいという強迫観念に苦しめられる。それでどうしようもなくて、頼れるのは自分自身だけってなって、自分の幻に頼る。

いやー、もう涙しかでてこないよ。でもさ、実際子育てとか家庭を切り盛りするとかってほんと大変だと思う。母は強しとか、母性がとかで片付けられない。

よくさ、毒親とかいうけど、毒子だし毒夫だし毒妻だし、家庭は毒の巣窟じゃないか。みんな毒なんだよ。毒まみれのなかで日々を回していかないといけない。そりゃすり減りますね、真面目に完璧を目指したら。

若いときの自分はこうじゃなかったのになあって思うこともあるだろうね。若い時はもっと自由でなにものにも縛られてなくて軽やかに生きてたし、気楽だったのに、どうして今はこんなことになったんだみたいな。

よく子供が親にあれしてくれなかったこれしてくれなかったとか恨み言いうことありますけど、親のほうも同じで子供のことを恨んでる部分はありますね。子供の世話に人生の時間を奪われてしまったと、子供がいなければどんなに自由だったかと。

それでも子供は愛おしいし、一緒にいる時間が宝物で、夫も一緒になって子育てをやるしで、みたいな明るいラストになっててよかったです。

もう、一人でボロボロになってそんで終わりみたいなエンディングだったらホラーだぜ、これ。なんか見てるときより、見終わってからいろいろ考えちゃう映画でした。自分の親のこととか考えちゃったなあ。

神経質でなんでもちゃんとやろうとしてときどき精神がおかしくなる母親。子供や家庭に無関心で外で遊んで帰ってくる父親。家にいても居心地悪いし、かといってどこにも行けないしみたいな。なんか家庭とか家族とかってやだね。

「ファイトクラブ」とセットでこの映画を見よう。ファイトクラブがいかに幼稚な男のおとぎ話でつまらないかわかる。タイラー・ダーデン?ケンカの真似事、テロリストの真似事、砂場で遊んでるだけのお子様でしかない。本当に戦ってるのはタリーのほうだぜ。


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