一応、探偵ものでバディものの体裁で作られてるけど、形骸化してて、ブルース・ウィリスがただ暴れるだけになっちゃってるのが笑える。白人と黒人の男が組んで敵に立ち向かうというのは、リーサル・ウェポンをやるっていうことなんだけど、なんかそこに娘も加わってきて、相棒であるはずの元アメフト選手の黒人の影が薄くなってしまってます。
ほとんどブルース・ウィリスの話。権力者に楯突いて痛い目見て落ちぶれて、嫁は友達と浮気してるし、娘は父親をなめている。仕事も友人も家族もなにもかも失って、人生クソだなっていう男が事件を通してそれを最後に取り戻すっていう話。
バディものではあるんだけど、相棒のアメフト選手のほうはちょっと影薄いです。なんでなんだろ。バディものなのにほとんどブルース・ウィリスと一緒にいるイメージがない。バディ感がない。
娘がテレビで見てる映画がリーサル・ウェポンっていうのがね。この映画リーサル・ウェポンのパロディなんだっていう遊び心。なんか脚本家が一緒なんすね。リーサル・ウェポン1,2の脚本書いたシェーン・ブラックがこの映画の脚本やってる。
元シークレットサービスで今はアル中のしがない探偵ブルース・ウィリス。嫁は親友と浮気。歯列矯正中の娘は反抗期。ブルース・ウィリスは正義感の強い男で、警護中にいきすぎたSMプレイに興じる大物政治家をぶん殴ったことで失業したという過去の持ち主。
デイモン・ウェイアンズは元アメフト選手で今は薬中。賭博にかかわったということでクビです。ストリッパーのハル・ベリーといちゃついたりしてます。
栄光の過去から転落して人生終わったと腐っている男二人が主役の話。
妻と浮気してる友人からハル・ベリーの護衛の仕事の依頼がくるんだけど、友人は車に仕掛けられた爆弾で爆死。これは裏に大きななにかがあるなと思ったブルース・ウィリスはハル・ベリーに接触して……っていう話。
裏にはアメフト賭博に関する裏社会と政治家の取引があったってわけ。その証拠をもっていたハル・ベリーは消されたってわけ。そんでブルース・ウィリスとデイモン・ウェイアンズがやられたままで終われるかよって反骨精神で巨悪に立ち向かっていく。
まあ、ふたりとも今の人生にうんざりしてて今がどん底って思ってるから、やばいやつらとやりあうことなんてなんとも思ってないから強い強い。ピンチになっても全然余裕です。ブルース・ウィリスなんかワンパンで敵の手下をぶち殺したりするし。
ふざけていたぶってくる敵の手下に、次やったらころすぞって警告して、ほんとにワンパンチで殺してしまうブルース・ウィリス。殺人ギャグだなあ。
アメフトの試合中に選手が拳銃乱射で自殺とか、ブルース・ウィリスの荒れた生活とか、前半のダークなハードボイルドな雰囲気は中盤なくなってしまう。後半は凡庸なドタバタアクションです。
どうしてこうなった?みたいな。浮気してる友人が爆死するところまではなかなかおもしろかったのに、そこからなんか停滞しちゃって、最後はブルース・ウィリスがただ暴れるだけみたいな。前半15分ぐらいはよかったのになあ。
ブルース・ウィリスが俳優引退するらしいですね。失語症で。ずっと元気に無敵の男として暴れまわるようなイメージだったけど引退とは意外だったなあ。ブルース・ウィリス映画といえばなんだろか。やっぱ「アルマゲドン」「ダイ・ハード」あたりは外せないかあ。
あと「12モンキーズ」とか好きだけどね。「パルプ・フィクション」も出てたかな。「シックス・センス」も忘れちゃいけない。しかし毎年コンスタントに映画出演してるような気がするブルース・ウィリスでも、印象的な作品って数えるほどしかない。
出演する映画全部が成功っていうわけにはいかないもんなんだなあ。