ザ・コア
それらしく見せる技術がすごい。無料動画のGYAO!でやってたので見てみました。ジョン・アミエル監督、2003年の映画。そういやこれ見てなかったなあって。たしかアルマゲドンと同時期じゃなかったっけ?違ったっけ?「ディープ・インパクト」と同じ時期だっけ?なんかやたらと地球の危機が迫って、それをどうにかするっていう映画が連発されてた時代があったような。
地球滅亡の危機に立ち向かうチームの活躍を描いたディサスタームービーなんすけど、細かいとこがどうなってるのかよくわからない適当さがすごい。適当っていうかよくわからない。
理論もその解決方法も何もかもがよくわからないけど、構成がわかりやすくできてて、それなりに見れてしまうのがすごい。安い食材を組み合わせて、高級料理風にまとめて、それなりに完成させてしまう凄腕シェフが作ったみたいな映画っていうかなあ。
地球滅亡の危機→危機を回避するために危険なミッションに臨む主人公たち→困難に直面して、一人ずつ犠牲になっていくチームの面々→なんとかミッション成功→でももう帰れない→機転を利かせて生還→よかった万歳!ってな感じで、構成はちゃんとしてる。
どういう理論なのかさっぱりよくわからなくても、ちゃんと楽しめちゃう。これは作り手がうまいなと。なんか地球の中心にあるコアが回転しなくなって、電磁波の膜?みたいなものがなくなって、有害な紫外線がそのまま降り注ぎ、地球が丸焦げになって人類滅亡することになったらしいです。
それに気がついた科学者のアーロン・エッカート。もう一度コアを回転させるためには、地中深くもぐっていって、コアに核爆弾をぶつけてショックを与えて再び回転させるしかない。
そんなとこまで掘り進む技術も素材もないぞ不可能だってなるんすけど、それが可能なのだとスタンリー・トゥッチが紹介してくれた砂漠で隠遁してる元同僚科学者デルロイ・リンドー。
理論はまったくよくわからんけど、一瞬で掘削できる装置と、むちゃくちゃ丈夫な合金を発明してて、不可能が可能に。どういう技術なのかさっぱりわからんけど、地球の中心までいけることになったらしいですみたいな。
それで電車みたいな乗り物作って地球の中心にむかってゴー!原子炉が動力っていっとけば、それでいいのか?乗務員はアーロン・エッカート、ヒラリー・スワンク、デルロイ・リンドー、スタンリー・トゥッチ、チェッキー・カリョ、ブルース・グリーンウッドです。
地上の管制室はリチャード・ジェンキンス、アルフレ・ウッダード、DJクオールズら。DJクオールズが演じてたのは天才ハッカーで、けっこう活躍してました。泣きながらハッキングとかしてて、おもしろかったなあ。
ハッカー役って余裕こいてキーボードカチャカチャして、ハッキングするのがよくあるパターンで感情をあらわにしないキャラが多い中、泣いてたのがおもしろかったっすね。運転手はNASAのヒラリー・スワンク。
いやヒラリー・スワンクは船長じゃなくて副操縦士でした。ブルース・グリーンウッドが船長。スペースシャトルのときも、なかなか船長が操縦任せてくれなくて悩むみたいな設定で、今回のミッションでは途中でしょうもないとこで船長が死んでしまったので、ヒラリー・スワンクが船長になって船長として苦渋の決断をしなければならない事態をのりこえ一人前になるみたいな展開。
それで地中にもぐっていくんすけど、地中がどうなってるのかいまいちよくわからなかったっすね。最初は海中ですよね。そっから溶岩でしたっけ。クリスタルの層とかダイヤモンドの層とか、溶岩の層とか空白とかいろいろあったみたいだけど、そこをどうやって進んでいってるのかがよくわからなかった。
空白のところは、飛んでるのかなあの船。落ちていってるだけなのかなあ、あれ。どうなってんだろあの船。それで1人ずつ乗務員が見せ場を作りながら犠牲になっていく。この構成がいいですよねえ。
ひとつひとつの問題は、そんな都合よく一人が犠牲にならなきゃいけないシチュエーションが連続するっておかしいだろって感じなんすけど、ゴールに向かって仲間が、ここは俺にまかせてお前は先に行けえ~って散っていく展開は熱い。
少年ジャンプ的な展開でこれは内容うんぬんはおいといて、仲間が犠牲になって目的達成する展開は熱いなあ。それぞれ前振りがあるんすよ。ブルース・グリーンウッドは、船長に早くなりたくてあせるヒラリー・スワンクに、君は負けを知らないからダメなんだと諭す。
ヒラリー・スワンクは優秀だから窮地も乗り越えてやってきてるけども、どんなに優秀でも、どうにもできないときがくる。そういうときに船長として苦渋の決断を下せるのが船長に必要な資質だってわけ。
その前振りがあって、今回の任務中にそういう場面がでてきてヒラリー・スワンクが乗り越える。チェッキー・カリョも、人類のために犠牲になるつもりはない、家族を救うために参加するんだっていいつつも、人類のために身を犠牲にする。
デルロイ・リンドーとスタンリー・トゥッチは過去に因縁があって関係は良好じゃないんすけど、心の中ではお互いを認め合ってるというね。
ミッションの困難に直面してクルーが犠牲になるところに、ちゃんと人情ドラマを盛り込んでるから、科学的にそれどういうこと?ってよくわからなくても、見れるんだよなあ。
前半の鳥が暴走しておかしくなるところは、ヒッチコックの「鳥」みたいでおもしろかったし、なかなか見れる映画だったです。それに地球のコアが停止したのは、アメリカ軍が開発していた地震兵器が原因だったというのも、オカルト陰謀論ぽくておもしろかったですね。
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