提報者~ES細胞捏造事件~
韓国で実際にあった科学者の捏造事件をもとにした実録系映画。無料動画のGYAO!で鑑賞です。副題にES細胞捏造事件ってあったから、
そういやそんな事件あったなって思って興味がわいてみてみました。イム・スルレ監督、パク・ヘイル, ユ・ヨンソク, イ・ギョンヨン出演、2014年の韓国映画。
提報者っていう題名だけだったら、見過ごして見てなかったかも。提報って全然聞いたことない単語だけど、どういう意味なんだろ?なんかの専門用語かなんかですかねえ。
まあ、映画としては見やすかったです。よくまとまってるっていう感じです。展開がはっきりしてるし、報道は権力者ではなく国民によりそって真実を伝えるのが使命だっていうお約束もでてくるし、まあ、とにかく見やすかった。
それが良かったところです。主人公はテレビの報道番組のプロデューサー。ひょんなことから卵子の違法な売買がなされていることを知り、
深くさぐっていくと、ES細胞を作ることに成功したと発表し時の人となっている科学者に疑わしいことがあることがわかる。
この科学者の人は、国も国民もヒーロー扱いで、希望の光みたいに思われてて大人気なのです。
世界に韓国の科学力を示すことができるし、ES細胞がこの先莫大なビジネスになっていくという目論見から、衰退している韓国経済の救世主になるってことでね。
調べていくと、卵子の違法な売買レベルではなく、ES細胞を作ったという論文そのものが捏造であるらしいとわかってくる。
研究所にいて捏造を指示されたけど拒否して退所した元研究員の証言をとり、論文の疑わしいところを調べ、着々と番組放送にむけて証人の証言と証拠固めをやっていくんすけど、
教授のほうも、世論を味方につけるためマスコミに工作したり、証人に嘘の証言をさせたりと、番組の告発をかわそうといろいろ対抗してくる。
何回も番組はお蔵入りでぽしゃりそうになるんだけど、主人公の報道は国民のためにあるんだっていう熱い気持ちがいろんな人たちを動かし、番組は無事放送されてES細胞捏造が公になる。
よかったよかった、ちゃんちゃんみたいな。わかりやすい展開で見やすいんだけど、どうも軽いっていうかなあ。深刻さっていうか、ぎりぎりのせめぎあいっていうか、そういうのが足りないような気がした。
けっこう簡単にうまくいってるように描かれてるし。国から圧力かかって、社長は放送をとりやめにするんだけど、主人公の熱い直談判により放送を許可するとか、あまりにも安易な描かれ方というかね。
熱意で無理が通るなら、報道なんかいらんよ。ちょっとお上品に描きすぎてるような気がした。日本のテレビドラマみたいなぬるさを感じてしまう。
韓国映画なので、もっとえげつない裏のやりとりを描いてくれるのかと期待したら、日本のTVドラマレベルのぬるさでがっくりみたいな。
まあ、これはこれでいいんすけどね。ちょっときれいすぎたかな。科学の世界では定期的に世紀の捏造事件みたいなのが起きてますけども、あれはどうしてなんだろね。
捏造してる人は、逃げ場っていうか出口に見当がついてて捏造やってんのかね?世紀の大発見、大発明とか言われてものすごい注目浴びてしまうと、
だんだんボロがでてきてそれを見逃さない人たちが増えてきていずれ大変なことになるのはわかりきってるわけですよね。
追及をかわしてうまくそのままやっていく方法なんかないと思うんだけど。あれですかね。成果をださないと研究費打ち切りでどうせダメになるんだったら、嘘でも捏造でもなんでもやって時間稼ぎしたろっていうことなのかな。
それとも、科学の世界で捏造やデータ改ざんとかは日常茶飯事で、たまたま注目されるような研究内容だったから明るみになってるだけで、
誰も注目もしてない興味ももたない研究の場合は、捏造がそのままになってるっていうケースもあるのかな。
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