デンゼル・ワシントンは田舎の保安官かなんかですかね。証拠品のブーツを取りに行ってくれって都会の警察署まで行く。手続きしてると、あ、お前かあどうしてんだとか、なんかデンゼルの知り合いがいっぱいいて、どうも昔、この警察署で刑事してたらしい感じです。
ちょうどそのとき、連続殺人が起きてて、ラミ・マレック刑事が指揮をとって捜査がされていた。犯人は犠牲者を殺して部屋に放置して再び死体を見に戻ったりしてる残虐な変態。痕跡や決定的な証拠がなくて捜査は難航しています。
なんかよくわからん流れで、ラミ・マレックはデンゼル・ワシントンを現場にいれて意見を聞きます。コロンボはどう思うとかちょっと茶化し気味で。まあ、なんかデンゼルはけっこう有名な刑事だったみたいなんすよ。
検挙率No.1みたいないい刑事だったらしい。だから、ラミ・マレックは部外者であるけど、デンゼル・ワシントンの捜査官としての意見が知りたかったんすかね。
名探偵デンゼル・ワシントンが、現場を一目見て、向かいの部屋からのぞいてたやつがいると見抜く。
そんな感じで偶然が重なって事件にかかわることになったデンゼル・ワシントンは休暇をとって独自に連続殺人の捜査をやり始めます。過去に自分が遭遇した娼婦殺人と似ている、犯人は同じやつじゃないのかって。
なんかこの昔の娼婦殺人にデンゼル・ワシントンは異常な執着をもってのめり込んでいます。詳しくはわからないけど、その事件に深くのめり込みすぎでなんかやらかして刑事から保安官になったんかなって感じです。
ラミ・マレックと協力して犯人探しをやっていく。ラミ・マレックも事件にのめり込んでいきます。新たな犠牲者だと思われる行方不明者がでて、その女性のホームビデオの映像を見たことや両親と話をしたことで、
犯人を捕まえられない自分に苛立つやら無力感に苛まれるやらで、なんとしても犯人を捕まえたいという思いがどんどん強くなっていく。
そんなときに、容疑者が浮かび上がる。こいつあやしいぞってデンゼル・ワシントンが目をつけたやつがいて、ジャレッド・レトが演じてるんだけど、ほんとあやしいです。
不審人物。状況的にはこいつで間違いないんじゃないかと思えるような男。でも、決定的な証拠はありません。車から血痕はでないし、指紋も一致しない。
でも、言動があやしすぎる。刑事を挑発するようなこと言うわけ。証拠がないんだから、どうせオレを捕まえられないだろって、余裕かましてせせら笑う。おちょくってくるみたいなふざけた態度をとるジャレッド・レト。
デンゼル・ワシントンの尾行に気がついて、高速道路の路肩に止めて、デンゼルとあれこれ話をしたりするんだけど、その車を止めた場所がマスコミには発表してない過去の犯行現場だったりして、デンゼルはこいつが犯人だと疑惑を深める。
ラミ・マレックとデンゼル・ワシントンは四六時中、監視してなにかボロを出さないかと待ってるんだけど、ぜんぜんダメです。
近所の店に呼び出して、その間にデンゼル・ワシントンが部屋に侵入して証拠がないか探したりもするんだけど、ジャレッド・レトはそれを読んでいて、部屋で警官が撃たれたという通報をして警官隊がやってきて、デンゼル・ワシントンはギリギリ逃げることができてヒヤヒヤする。
それを見物してニヤニヤしてるジャレッド・レト。うまくかわされ、尻尾をださないジャレッド・レトにラミ・マレックのイライラは最高潮。デンゼルは辛抱強くやるんだとか言うんだけど、あんたも取調室で暴れたりしたじゃないかと笑っちゃったね。
デンゼル・ワシントンがコーヒー買いに行ってるあいだに、ジャレッド・レトがやってきて、死体埋めた場所を教えるから一緒に来いよってラミを誘います。
ラミ・マレックは焦ってるし、我慢の限界をこえてるので、単独でついていくのはやばいとわかってるけど車に乗ってしまう。罠だろうがなんだろうが、もうなんでもいいから、証拠がほしい。そんで荒れ地に連れて行かれる。デンゼルも気がついて、二人が乗った車を追う。
荒れ地のここに埋まってるから、掘れよってスコップ渡されてあちこち掘るラミ・マレック。ああ、違った、ここだったとか、ジャレッド・レトはふざけたことを言う。
ラミ・マレックは掘ることをやめられない。事件に取り憑かれてるからね。こいつが犯人に間違いない。あとは証拠がありさえすればって、そういう考えに凝り固まってる。ジャレッド・レトの術中にハマってるというか、もう冷静さを失ってるというか。
ジャレッド・レトがふざけたこと言ってるのはわかってるけど、もしかしたらって思うと、言う通りに穴をほってしまう。
そんでジャレッド・レトが調子乗って、家族のことをあれこれいうから、ラミ・マレックがふざけんなよってスコップでジャレッド・レトをぶん殴ると、打ちどころが悪かったのか一発で死んでしまいます。
そこに追いついてきたデンゼル・ワシントンが到着。
掘っても死体はでない。犯人かどうかわからないジャレッド・レトは死亡。どうすんのかというと、デンゼル・ワシントンが指示して隠蔽工作をします。
死体を埋める穴を掘れってラミ・マレックに言って、デンゼルはジャレッド・レトの家にいって家財を一切合切運び出す。ジャレッド・レトの車もそこらへんのホームレスにやって処分。ジャレッド・レトがどこかへ蒸発したかのように仕立てる。
ラミ・マレックには、このことはもう忘れろ、少し休暇をとって事件から離れろってアドバイス。デンゼルは過去の娼婦殺人事件で、犯行直後の現場で生き残ってた娼婦を間違って撃って殺してしまったことがあったのだ。
同僚や嫁の監察医がかばって、誤射は隠蔽されて、犯人による殺人として処理されたってことがあった。だからデンゼル・ワシントンは、この事件に執着していたのです。刑事の執念とかそういうのではなく、自分の取り返しのつかない過ちの埋め合わせができないかともがいてたってわけ。
でさあ、また今回、ラミ・マレックが同じような過ちを犯すことになっちゃう。デンゼルは過去の過ちの償いどころか、過ちを繰り返してしまうという結果に。
これは暗い、きつい話だね。ジャレッド・レトが犯人だったのか、ただのいかれた犯罪マニアの変態だったのかはわからない。事件に取り憑かれておかしくなった刑事が過ちをおかしてしまうというのを見せる話。
最後、デンゼルからラミ・マレックに赤い髪留めが届きます。ジョギング中に行方不明になった女性が赤い髪留めをしてて、犯人はそれを戦利品として持ってるはずだから、ジャレッド・レトの持ち物の中にそれがないか探してた。
ジャレッド・レトが新聞記事や写真とかをおさめていた戦利品ボックスの中に、それがあったということはジャレッド・レトは犯人だったことになる。ああ、やっぱり犯人だったのか、よかった、最悪な結果だけど、希望がわずかにあるって思ったら、
この赤い髪留めは、デンゼルがそこらへんで売ってるのを買ったもので、ジャレッド・レトの持ち物ではないのがわかる。絶望。
これでラミ・マレックが少しでも気に病むことがなければというデンゼルの優しさでした。
自分は隠蔽してから、ずっと気に病み続けて、なにかあるたびに事件のことが思い出されて人生を台無しにしてしまった。
ラミ・マレックには自分と同じようにはなってほしくないっていうことだろね。デンゼルにもラミ・マレックにも娘が二人いるし、おれは妻も娘も失って人生台無しにしたけど、おまえはそうなるなよっていうね。
でもラミ・マレックもバカじゃないから、あの髪留めがジャレッド・レトが持ってたものではないだろうというのは気がつくんじゃないかなあ。
ダイソーみたいな100円ショップで3個セットで売ってるみたいなやつだったから、どう見ても金持ちの娘がもつようなものじゃないのが丸わかりだし。
結局、罪の意識からは逃れられない。犠牲者は浮かばれない。犯人はどこかにいて今も誰かを手に掛けてるかもしれない。自分はそれを止められない。
その思いに縛られて、この先生きていくしかないんだっていうね。なんかほんと暗い話だったなあ。
デンゼル・ワシントンが凄腕でラミ・マレックをサポートして、犯人を捕まえるエンタメ刑事ものかと思って見始めたら、ぜんぜんそうじゃなくて、デンゼルが一番の悪党に感じるダークな話でした。
まあ、映画としてはジャレッド・レトのあやしすぎる、腹立たしすぎる、イラッとさせる演技がうまいところが見どころかな。