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『コンパニオン(原題:Companion)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


愛という名の束縛と狂気。アンドロイドスリラー。人間そっくりのロボットが恋人ロボットとして売られている未来世界が舞台のサスペンス・スリラー。けっこうおもしろかったです。愛してるのならなんでもできるだろっていう愛の強迫観念が怖い話だった。

設定とかあんまり知らずに見始めたから、途中で彼女がロボットってわかってけっこうびっくりしました。まあでも、なんか仕草とか動作が違和感ある感じだったけどね。微笑む動作がちょっと変だったり、瞬きがわざとらしかったり。

メイクや衣装もなんか人形っぽい。うまく違和感の演出をしてたなあ。微妙に人間とは違うという、微妙のさじ加減がうまかった。

アイリスとジョシュが車で友達の別荘に遊びに行く。ロシア人かなんかでマフィアっぽい裏の世界で稼いでそうな金持ちの別荘です。

アイリスとジョシュのほかに、ロシア人の彼女のキャット、イーライとパトリックたちがいる。アイリスはキャットに嫌われてると思ってて、この集まりで楽しめるか心配してるけど、ジョシュと出会いからずっと変わらず強まる愛情で

すべて乗り切れると思っていた。なんか出だしは、彼氏の仲間たちとうまくコミュニケーションとれるか不安になってる彼女みたいな普通のドラマな感じです。

彼との出会いのトキメキを今でもはっきりと鮮明に思い出せる。わたしは今ほんとに幸せなのって普通に幸福を感じているカップルの話なのかなと。

それが急展開でサスペンス・スリラーになっていく。

ロシア人にエロいことされそうになって、抵抗したアイリスはロシア人をナイフで刺して殺してしまう。血だらけになって正当防衛だと弁解するアイリスにジョシュがSLEEPと命じると、電源が落ちて停止するアイリス。

白目になって人形になる。

アイリスは恋人ロボットだった。エロボットとか言ってたかな。一緒に生活していろいろできる性能があるロボットだけど、たいていユーザーはエロいことするために買うからエロロボットっていうことですかね。

やばいことなった、警察呼んであれこれ後始末する前に、彼女と話して最後のお別れしようってなるんだけど、この一連の惨劇はジョシュがキャットと一緒に計画したことだったのです。

アイリスを違法な改造コードで設定変更して、人間に危害を加えられるように変更。ロシア人をけしかけて彼女が抵抗する状況を作って殺させる計画。目的はロシア人が金庫にいれてる大金です。

ナイフをポケットに入れといて、リミット解除して、あわよくばっていう計画だけど、こんなにうまくいくとは、やったぜって感じ。アイリスに君はロボットでこんなことなったから廃棄するしかないお別れだとジョシュは説明するけど、アイリスには自分がロボットという意識がない。

スーパーマーケットでの出会いの記憶から、すべてプログラムだったと言われても信じられない。ジョシュへの愛情がすべてプログラム?そんなわけない、この燃えるような痛みをともなうような感情が嘘だなんてって。

かなり高性能なロボットみたいですね。スマホでいろいろ設定変更ができる。言語もいろいろ選択できるし、知能も0から100まで。0でただの人形、100で有名大学卒業レベル。

自分がロボットだと信じられないアイリスに、言語設定をいじっていろんな国の言葉で話させるのとか笑えるね。

じゃあ、そういうことだからってドライなジョシュ。自分の設定通りにうごく便利な人形という以上の感情はない。

アイリスのほうは納得できず、廃棄なんて嫌よ、ってアイリスは逃げ出す。そんで、アイリスとジョシュの殺し合いが始まるってわけ。

停止させようとするジョシュ。そうされまいと抵抗するアイリス。アイリスはロボットだけど、知能を100にしても大卒レベルだし、肉体のパワーも普通の人間レベルなので、めちゃくちゃ強いわけではない。

まあだから普通の生身の男と女の戦いって感じになります。戦いが展開していくんだけど、その攻防がどうなるかというアクションのおもしろさと同時に、

愛とはなんだろうって思っちゃうドラマがたびたび挟まれるのがおもしろかったです。ただの便利な人形として利用しようとするジョシュ。だましたというか利用しようとしたジョシュへの怒りに震えながらも、ジョシュへの愛情が消えないアイリス。

スマホを奪って、音声命令もオフにしてるのに、ジョシュを殺すことをためらってしまうアイリス。お前はスマホがなくてもコントロールできる、おれを愛してるんだからなってジョシュが言ってたのが、愛の怖さでぞっとしたなあ。

DV彼氏か。愛って狂気だなっていうかね。見てると、DV夫とDV夫の愛に依存してしまう妻の話にも見えてくる。で、その愛ってほんとに愛なの?っていうね。

ロボット対人間というところに、もう一人ロボットが加わるのがこの映画のおもしろいとこですね。イーライとパトリックはゲイカップルなんすけど、パトリックがロボットなんすよ。

パトリックもイーライとの出会いの記憶がプログラムされている。ハロウィンの仮装パーティーで出会って運命の恋におちたっていうプログラム。

イーライが死んでからは、ジョシュが再起動してジョシュと運命の出会いをして恋をしたということになっていろいろとやらされる。

なんかよくわからんけど、凶暴性というパラメーターがあって、それがマックス100に設定されたパトリクはためらいなく人間を殺していく。

危なすぎだろ。なんで100にするんだよ。邪魔だからと保安官を殺し、止めろと言われたからキャットも刺し、融通のきかない状態のパトリック。

そんな殺戮マーシンになってしまったパトリックですけど、アイリスにあなたはジョシュに利用されてるのよ、ほんとの恋人はイーライ、愛を思い出してって言われて、ほんとの愛を思い出してスタンガンで自殺する。

プログラムすらこえる愛のちから。愛という名のもとに、人が人を縛り操る。

そういう愛の怖さを感じる話だったなあ。

最後は電動ワインのコルク抜きをジョシュのこめかみに突き立ててアイリスの勝利です。

金庫の金をバッグにつめて真っ赤なスポーツカーでさっそうと走っていくアイリス。並走する車には、自分と同型のロボットが乗ってて、ハーイって挨拶して明るく去っていく。

愛の呪縛からとかれて、真の自由を勝ち取った女。

映画の冒頭では、男の愛をえることだけが存在意義だった愛の奴隷だった女が、そこから自由になって去っていく。けっこう痛快じゃないか。

なんかこういう人間そっくりロボットが出てくるSFものって、むかしは遠い未来の話だって感じしてましたけど、今のAIブームや半導体の進歩を見てると

絵空事にあんま感じないですね。いやー、こういう人間っぽさを擬態するロボットって、そのうち出てきそうじゃないすか?

人間らしさは複雑でロボットに再現不可能なような気がしていたけど、生成AIとかディープラーニングとかで結局マシンパワーと演算能力次第で再現できるもんだって感じしてきましたからね。

じゃあ愛も人工で再現できちゃうんじゃないのみたいな。

なんだろ、女と男のバトル、男が女を下に見てマウントとってる状態から、女が逆転するみたいな構造の映画だとすると、

コラリー・ファルジャ監督の「REVENGE リベンジ」とか、アレックス・ガーランド監督の「エクス・マキナ」とかと似てるかも。



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