ほとんど二人芝居といっていい。二人以外は全部背景。セリフも二人だけあって、ほかはないんじゃないかな。
ほとんど二人が会話するシーンで構成されてます。
二人はリゾート地で開かれる結婚式に参加するために空港で知り合います。ウィノナ・ライダーが並んで搭乗手続きが始まるのを待ってたら、キアヌがやってきて話かけます。
キアヌが一歩前に出る。あんた割り込んでんじゃないわよってウィノナが突っ込むけど、キアヌは気にせずまた前に出る。
なにこの人ってお互い思う。
この二人、どっちも毒舌家でマイペースでシングルという共通項がある二人なんすよ。
飛行機乗り換えでセスナみたいな小さいのに乗ったらまた二人は隣同士の席になって、もしかしたら、結婚式ってあいつとあいつのやつか?って、二人は同じ結婚式に参加するってわかる。
新郎の元彼女がウィノナだっけ?新郎の異父兄弟がキアヌ。
ホテルについたら部屋も隣同士。パーティーでも席は隣。事あるごとに顔をあわせる二人は、なんだかんだといろいろおしゃべりします。
表面上、お互い最悪だっていうポーズはとってるんだけど、初対面のときから二人の息はぴったりあってるのがおもしろいですね。
長年のつきあいある友人のような、気取らない会話の応酬ができてる。
二人の相性はぴったりってわけ。
まあそんで、二人の距離は接近していきます。会場までワイン畑かなんかの斜面で、わたしこんなとここの靴で歩けないから抱っこして運んでよって言って、
キアヌはぶつくさ言いながらも、ちゃんとお姫様抱っこして、重い~とかふらつきながら運んだりする。ほんとにやな野郎だと思ってたら、お互いにこんなことしない。お互いいいなって思ってんだ。
でもふたりとも若くなくて、それまでいろいろ失敗して嫌な経験もしてきたから、素直な態度をとれないでいる。
散歩してたらピューマと遭遇して、キアヌの謎の変なうめき声攻撃でなんとか危機を脱した二人は斜面を転げ落ちる。
その興奮によって箍が外れたのか、そのままアオカンです。思わずキアヌがキスして、ウィノナはなにすんのよ、やめてよって言うんだけど、自分からもキスしにいく。
いいわ~、いいわ~つってのっぱらで合体するキアヌとウィノナ。ウィノナが先に自分だけいって、キアヌにまだなの、わたしはもういいわみたいなこと言ってるのも笑えたなあ。
で、ここまでしたのに、まだ二人には微妙な距離があるんです。
ラブラブカップル誕生ってなってもおかしくないことしたのに、キアヌはどうせうまくいきっこないよ、今だけの関係だみたいな態度です。
ウィノナのほうはもうちょっと前向きというか、わたしたち気が合うからいいじゃないって感じなんだけどね。
そしてお別れのときがきて、タクシー乗り場でキアヌはウィノナの連絡先も聞かずにタクシーに乗せて送り出す。
はあ~、これでお別れかあって部屋でテレビ見て引き出物をいじくったりしてたけど、キアヌはウィノナの家へ我慢しきれず行くっていうラストです。
ウィノナがタクシーの運ちゃんに住所を言ってたのを覚えてて、キアヌはウィノナの家をたずねて、ピンポーンってウィノナが出てきて再会ってところで映画はおしまいです。
中年の恋は若者みたいになにも考えずに突っ走れない。素直になれない中年の男女の恋の始まりの映画でした。
まあでも、よく考えたら、若者より衝動的で無鉄砲なことをやってるような気もしないでもないけどね。
演じているのがキアヌとウィノナだからおもしろかったって感じなんすけどね。他の役者がやってたらいまいちだったかも。
ウィノナ・ライダーが植物にがんばって!枯れないでって自分の息を吹きかけてるのとか、この人大丈夫かみたいなおもしろさがあった。
キアヌのまっすぐな目で失礼なことずけずけ言う感じとか、いい味でてたし。アクションなしのキアヌもいいもんですね。