キャッチ22が不条理なことを表す単語として使われるほど、外国じゃあ有名な小説が原作らしいです。
お話の舞台はアメリカ軍が駐屯してるイタリアの島。主人公のアラン・アーキンが誰かに刺されて倒れて死に際の走馬灯を見る。どうしてこうなったのかを回想でさかのぼります。
アラン・アーキンは定期出撃にうんざりしてて、もう精神的にダメだから除隊したいと申請するんだけど、認められない。軍規22によると、精神が異常で除隊を申し出るやつは、正常だから除隊は認められないと。
異常なのに、異常だと申告すると正常だから除隊できないという不条理な状態になる。まあ、なんであれ軍は兵の除隊を認めないということ。戦争で死ぬか、死ぬまで戦うかしかない。
アラン・アーキンがおかしくなって、全裸で勲章もらったりとか、仲間が次々と死んでいったりとか、そういう描写が続きます。
出演者がけっこうおもしろい。ああ、あの人がこんなとこでみたいな。若いんですよ。なんかジョン・ヴォイトに似てるやつがいると思ったら、若いジョン・ヴォイトだった。
うーん、この人、なんかサイモン&ガーファンクルの人っぽいって思ったら、アート・ガーファンクル本人だった。
チャーリー・シーンのお父さんマーティン・シーンも出てくるし、サイコのアンソニー・パーキンスとかもいました。みんな若いんだ。そりゃそうだ1970年だから。
ジョン・ヴォイトは軍の物資を使って商売始める。物資とあれこれいろんなものをトレードして儲ける会社、MM興産だっけを設立。上官もいいねつってみんなで儲けようとする。
戦争で仲間が生き死にしてるとなりで、商売して儲けようとするものもいる。綿を仕入れすぎて処分に困ってドイツ軍と取引して、綿を引き取るかわりに、基地を自分たちで爆撃するという暴挙にでるジョン・ヴォイトら。
これも不条理。
不条理、理不尽、それが描きたいんだろね。
そんであいつもこいつも死んで、あいつは娼婦を殺してとかあって、定期出撃の回数はどんどん増えるし、いつ除隊できるのかってアラン・アーキンは途方に暮れる。
上官は取引しよう、お前もおれたちの仲間になれば、国に返してやるぞって言われて、申し出を受けるアラン・アーキン。
オープニングはこのシーンから始まってたんす。
取引して国に帰れるというところで、刺されてしまう。刺したのは戦友の情婦だった娼婦。戦友の死を伝えに行ったアラン・アーキンを犯人だと勘違いしての行動だったらしいです。
なんという理不尽。
手術してなんとか命をとりとめたアラン・アーキン。取引はやめだって思うけど、それじゃあ帰国できない、軍法会議だぞってアンソニー・パーキンスらに言われる。
飛行機が墜落して死んだと思ってたやつが、スウェーデンまで流れていって助かってると聞く。あいつはわざと墜落してうまく逃げたんだって。
お、そうだオレも逃げればいいんだって、ゴムボートで漕ぎ出すアラン・アーキンでおしまい。戦争という狂った世界から出るには、どこかへ逃げるしかない。
逃げ切るのは無理っぽいけどね。