肝心のドラマがないまま終わりです。なにか奇妙なことが起きているという描写をえんえんとやる。なにか起き始めたと思ったら終わり。なんだこれ?前半、変に時間かけすぎじゃないすか?
湖のそばが舞台。主人公は二人います。一人は十代?の女の子。なんか母親と関係が悪い。母親は再婚してて、再婚相手に娘がいて、主人公からしたら義妹?だっけがいて、義妹は主人公に懐いてくれてるんだけど、母親との関係が最悪で、義父ともなんかギクシャクしてるみたいな描写が続きます。
もう一人の主人公は、20代か30代ぐらいの青年。母親が謎の発作に悩まされてて、それが原因で自動車事故して亡くなった。それに疑問を持ち続けて、今も調べてる。
この二人の主人公の話が交互に描写されていく。なんかあるぞみたいな雰囲気です。湖に奇妙なことが起きてて、絶滅したはずの狼を目撃したとか噂がひろがっていた。
義妹が湖の奥で見つけたという蛾も、絶滅したはずの種だとかで、なにか起きてるぞ感が煽られていきます。
そんなときに義妹が失踪。あちこち探すけど、ボートだけが見つかって、手がかりなく見つかりません。事故か事件か、なんだなんだってなるんだけど、主人公が妹を探して湖に行くと、ある場所を通ると違和感を感じて変なことが起きる。
家に戻ると義妹が失踪した直後に時間が戻っている。これはなんだっつってさ、混乱してきます。
男の主人公のほうも湖で変なことを体験してて、気になって調べてると、怪我した小さな女の子がいてそれを助けて、助けを呼ぼうと湖を出たら、湖のダムが建設中になってる。通りかかった工事の人たちの服装や車は古い。
1950年代の湖に来ちゃってんの。怪我した小さな女の子をその人達に渡して、また青年は湖に戻って、そしたらまた違和感を感じて時間がワープしてみたいな……。
その怪我してた女の子っていうのは、失踪した義妹です。あれ?どういうこと?みたいな感じでこんがらがってきます。
この二人の主人公の描写は、どこか噛み合わない。もしかして、この二人の描写は時代が違うのかとここらへんで気が付きます。
どうやら湖の一部にバミューダトライアングル的な時空のねじれた空間ができてるようで、そこを通過すると、別の時間へ飛んでしまうようです。
失踪した義妹は1950年代に置き去りにされたかっこうになる。そこで死なずにちゃんと生きてるんすよ。女の子が調べて、その年代の学校の卒業アルバムの写真をネット検索すると、義妹らしき人物が写ってる。
ちゃんと学校行って、卒業して、誰かと結婚してということまでわかります。それで生まれたのが、青年主人公なのです。変な発作に悩まされていた母親というのが、青年が助けて1950年に預けたあの義妹。
あの子が自分の母親だったという驚きのつながり。
そんでさ、青年は十代の女の子主人公の父親なのです。え?みたいな。こんがらがる。
青年には恋人がいて妊娠して生まれるのが女の子主人公。母親はあんたのおやじはわたしたちを捨てていったんだっていうことで、恨んでて、それで母娘関係が悪かったってわけ。
青年主人公で描かれて時代は、女の子主人公の母親が若かった時なんすよ。
青年主人公があやしいやつってことで警察に追われることになったりして、ドタバタしておしまい。なんもなしで終わり。
湖の奇妙なちからによって、奇妙な運命をたどることになったある家族の物語ってことなんすけど、これはうまくできてないです。
仕掛けにこだわりすぎて、前半、ぜんぜん動きがなくて、後半終わりかけてからドタバタと急ぎ足で展開する構成がよくない。
仕掛けに値打ちこきすぎ。そういうことだったのか~ってわかったところで終わってしまう。わかってそこからどうなるのかが大事な話なのに、そこがまったくない。起承転結の起承で終わってる。
謎をひっぱって、最後でびっくりした?ってやりたかったんだろうけど、ぜんぜん効果的にできてなかった。
湖の奇妙ないたずらで、壊れかけの家族がほんとうの家族になるというドラマだとしたら、前置きが長すぎです。なにかあるぞあるぞでひっぱりすぎ。
役者の演技はよかったのにもったいない感じしましたね。湖をボートでぶーんって移動する映像もなかなか雰囲気あってよかったんすけどね。