おじさんが車を走らせて人と話すだけの映像なので何かあるのかなって先の展開を期待して見てる人にとっては苦痛だと思う。おじさんが何をしたいのか最初よくわかりません。不気味。理由はよくわからないけど、自殺しようと思ってるらしいのがわかってきます。
最初、なにしてるのかよくわからない。目的もわからずあちこち適当に車を走らせて、いろんな男に声をかけて乗らないかってのせて、実は仕事の頼みがあるんだがと変な仕事を頼むけど、みんなに気味悪がられて断られる。
兵士に断られ、神学生に断られ。そりゃ断られるよっていう仕事。お金をあげるから明日この穴にむかって声をかけて返事がなければ土をかぶせてほしいという頼み事。睡眠薬飲んで穴に横たわって自殺したいということらしいです。
いや、自殺したいのなら今すぐ睡眠薬でもなんでも飲んだらいいのにって思うんだけど、見てるうちに主人公は死にたいんじゃなくて、死にたい気持ちを誰かに聞いてほしくてさまよっているんだと思いました。
自殺したいぐらい悲しいことなのかひどいことなのかがあったんだと思う。簡単に人に話せないようなこと。その気持ちを打ち消してくれるなにかを探してさまよってる。
その何かが人と接するということ。人と話すという些細なこと。最後に乗せた博物館のおじいさんがけっこう親身になって話してくれます。自殺を考えて木に紐をくくったが、なってる実を食べたら甘くて家にもってかえって死なずにすんだみたいな話。
たわいのない短い会話。それを聞いてちょっと主人公の心に変化がある。死なずにすむのかもしれないと多少の希望がみえます。でさあ、最後どうなるか気になるじゃないですか。死んじゃうのか、生きるのか。
穴に横たわって夜空を見上げる主人公。さあ翌日どうなるどうなるって思ってたら、そこで画面が切り替わって映画の撮影をうつしたメイキングビデオ映像になります。え?なにこれ?
兵隊がランニングしているシーンの撮影風景をおさめたビデオ映像が流れて終わり。タバコを吸う主人公役の俳優とか、撮影の指示をだす監督とかがうつってる映像。これでおしまい。どういうことなんだろうってぽかーんとしてしまう。
エンドロールにおまけ映像として撮影風景の映像が流れる映画はあるけど、これはそういうのじゃなくて本編の中の最後のシーンにそういう映像が流れるんですよ。
うーん、わからない。意図がよくわかりません。今までの話は全部映画で虚構なんだよと言いたいのかな?