図書館に行ったら置いてあって、村上龍、まだ小説書いてるんだってちょっと驚いた。しかも題名がユーチューバー。なんだこりゃ?みたいな。こりゃ読まなきゃなあみたいな。それで読んでみたんすけど、長編じゃなかった。
短編集だった。ユーチューバー、ホテル・サブスクリプション、ディスカバリー、ユーチューブの4篇からなる作品です。全部同じ話で同じシーンなんすけど、それぞれ視点が違う。お茶の会社をやめてユーチューバーになるとか言ってる男の視点から語られるユーチューバー。
ホテル・サブスクリプションもその男視点だったかな。ホテルのVIPルームに宿泊する作家と顔見知りになってユーチューブ動画に出てくれませんかと話をもっていって撮影したという話を、登場人物それぞれの視点から見た短編にしてある。ディスカバリーが銀行のFPの女の視点で、ユーチューブが老作家の視点から語られるんだったかな。
内容はよくわかりません。小説なのかなんなのか。60歳後半の有名作家が出てくるんだけど、これ村上龍自身ですよね。作家が若いときのことや小説家デビューして賞をとったときのこととか、女性遍歴を語るんだけど、村上龍そのまんまじゃないかみたいな。
ユーチューバーになるという男の申し出に応じて動画撮影に応じるという形で女性遍歴を語る作家。動画は短期限定公開されてそこそこ話題になったが、期待したほどの再生数ではなかったみたいな。なんのこっちゃ?みたいな。
ディスカバリーチャンネルのライオンや象やなんかのことを語るディスカバリー。これもなんのこっちゃですよ。最後のユーチューブは、俺はユーチューブでこんな動画見てるんだという羅列。ミュージシャンの動画をいろいろ見てるようで、あれがどうでこれがどうでみたいな歌手の蘊蓄が続く。
そういや、村上龍の小説ってそういうくだり多かったなと懐かしさでしんみり。村上龍の小説ってけっこう読んだと思うんだけど、あんまり覚えてない。5分後の世界とかだっけ?あとはなんだろ。思い出せないけど。
なんだろなあ。坂本龍一とテレビで酒飲みながら話すテレビ番組とかありましたよねえ。バブってたなあ。70年代、80年代、90年代に活躍したアーティストがけっこうみんな高齢になってていつ亡くなってもおかしくない感じになってますが寂しいですね。
坂本龍一も亡くなっちゃったし。自分が若者だったときにヒーローだった人たちがどんどん去っていくのは、ほんとに寂しい限りです。自分も確実に年取ってる。時代は確実に過ぎ去っていってると感じてただただ寂しくなる。
村上龍はその時代その時代の流行りというか、盛り上がってるテーマを題材に小説をだしていく時代と寝るタイプの作家ですよね。村上春樹が時代と関係なく同じことを何度もやってるのとは対照的なタイプ。
だから今、小説書くならユーチューバーだっていうことなんだろなあ。読んでみた結果、なにがユーチューバーなのかよくわからない内容の小説だったけど、文章力は衰えてないと感じました。
もう70歳とかですよね。がんばってんなあみたいな。人生の総決算、まとめ、遺言みたいな感じで書いてるのかな?