意気揚々と未来へと理想を高くもち進んでいこうとする若者。彼らをサポートし良き見本となる大人がいない。若者は未熟な存在で、まだまだ一人前には程遠い。大人の助けが絶対に必要なのに敵となる大人はいても味方がいないという寂しさ。
舞台は伝統ある陸軍幼年学校。ティモシー・ハットンは来期のリーダーに任命されて有頂天。校長の将軍と会食して興奮気味。彼にとって将軍は理想の師であり尊敬する存在です。仲間のショーン・ペンやトム・クルーズに祝福されてやるぞと未来の希望にもえてもりあがる若者たち。
ところが学校の閉鎖が1年後に決まっていたのです。廃校になって跡地が開発されてマンションが建つことが決定されていたことを知って意気消沈する生徒たち。未来に暗雲が。そこからさらに悪いことが重なる。
卒業生のパーティーに街の荒くれ者のグループがちょっかいだしに来てて乱闘になるんすけど、将軍がもっていた銃が乱闘のもみくちゃで発砲されて若者が死んじゃう事件が起きる。将軍は意気消沈、心臓も悪くて重体になっちゃう。
この事件をきっかけに廃校への動きが加速。期限を前に解体が始まっていく。それに反抗しようとティモシー・ハットンたちは武装して学校に立てこもる。そこからどうなるかっていうね。
なんか見る前は軍隊での青春みたいな思い出映画かと思ってたんだけど、立てこもりする話とは意外でした。意外といえばトム・クルーズが出演してて、主役じゃなくて喧嘩っ早くて揉め事の種になる役回りをやってるんすよ。
トム・クルーズはずっと主演でやってたのかと思ったけど、若いときはこういう役もやってたんだなあ。
それで立てこもりなんですけど、なんにも進展しない。時間だけが過ぎて、状況がどんどん悪くなっていくだけです。ティモシー・ハットンは優等生でリーダーに任命されたとはいえ、ただの子供です。
部隊を率いるだけの能力も経験もない。立てこもりして、学校の閉鎖に関することで要求をだすけど、交渉はまったく進展しない。子供は子供なんすよ。理想に燃え、名誉や軍人としての誇りをもつ教育をうけたけど実践はなにもしていない。
良き師である将軍は重体で連絡もとれない。ティモシー・ハットンの父親は軍人なんすけど、関係はよくないです。子供の気持ちなんか一切考慮しない自分勝手な親として描かれる。師もいない親も頼れないとなったら結末はどうなるか。
ほんと悲しい終わり方です。子供たちを描いてるとおもいきや、大人がいないということを描いている映画だったなあ。なんかほんとに大人がいないんすよ。陸軍幼年学校には教官とかいないんだろうか?先生とか?
子供が野放し状態。子供が銃もってうろうろ。周囲は軍に包囲されて銃口は彼らに向けられている。こんな状況をどうにかできるのは、大人だけ。なのに大人がいない。子供たちを守り導くはずの大人がいない。悲しすぎる。