ドウェイン・ジョンソンってもとプロレスラーでロック様って言われてたのはなんとなく知ってる。今や世界一稼ぐ映画スターになってるけど、10年ぐらい前はそうでもなかったですよね。プロレスで頂点を極め、ハリウッドでも頂点かあ。サクセスだなあ。
夢を叶えるっていうことの怖さがすごい描かれててよかった。夢を叶えるのが怖い?ってどういうことって感じだけど、成功する、うまくいくということの怖さってあると思うんですよ。
主人公の女の子は兄と一緒に子供のころからプロレスやって、大人になったら世界最大のプロレス団体WWEに入ってスターレスラーになるぞと思い描いている。兄貴もそうなんですよ。兄貴はプロレス技術うまくて兄と妹名コンビです。
そんで送ったビデオがWWEの目にとまって兄と妹両方がトライアウトを受験するけど、兄は落ちて妹が受かる。そんで妹はアメリカ行ってトレーニングすることになる。兄貴は腐る。なんで俺がダメで妹が成功の道を進むんだって。
身近な人間が成功していく様を見せつけられる、自分はなぜ成功できないのかわからない、あいつがうまくいって俺がダメなのがわからない。辛いなあ。
妹のほうも苦悩する。うまくいって何が不満なのって思いそうだけど、成功も簡単に手に入るものじゃない。独りよがりで孤立する。みんなに馴染もうとして自分を見失う。自信喪失でもう実家に帰ろうと追い込まれる。
長年望んでいた夢が叶うかもというチャンスをつかんだのにもうダメだなって思っちゃう。成功を望むのに、成功しそうになると、直前でぶるっちゃう。
成功するっていうことは多くの人間の目にさらされて多くの人間の欲求に応えなければならないってことなので、その重圧に果たして自分は耐えられるのか、応えられるのかという不安に押しつぶされそうになって、実際押しつぶされて逃げ出してしまう人が多いんじゃないすかね。
プロレスラーなんて、リングにあがって観客を魅了できなければ一瞬でスターの座を転げ落ちる。WWEのリングにあがってスターになるのが夢だったけど、リングにあがってうまくいかなければ夢が砕け散る。こりゃあ怖いです。
試合前、ロッカールームからなかなか出ていけない。夢をつかむ入り口に立つ大変さ。成功の舞台に立つ大変さ。そしてそこでうまくやってスターの座を勝ち取る大変さ。成功する怖さをよく描けてる映画だったなあ。
出演者たちの演技もなかなかよかったですね。主人公の両親とかおもしろい人たちでマンガみたいだなって思ったけど、実際あんな感じで笑っちゃった。最後に実際の彼らの映像が流れるんだけど、ほんとそのまんまでね。