2Dのアニメ絵だったら許容できるものでも実写の立体の絵になると、不気味さを感じて気持ちが悪くなるってありますね。不気味の谷現象ってやつですか。これがもろにそうだったです。ピノキオが不気味すぎて見ていられない。陽気にぼくピノキオ、本物の子供になるんだ!とか可愛い子ぶって言ってるんだけど、気味が悪くてホラーでしかない。
それにお話も怖いんすよ。冒頭からして、ゼペット爺さんですか、老人が猫相手に独り言言って木の操り人形作ってるって怖くないすか。独居猫おじさんがブツブツ言いながら人形作ってるって狂気しか感じない。
奥さんと息子ってどうなってるっていう設定なのかな。死に別れたのか、それとも離婚したのか、どうなのかはよくわからないけど、息子への執着は相当なものです。なぜか奥さんの写真はないのに、息子の写真は飾ってるのもなんだか違和感があった。息子とかほんとにいたのか?みたいな。
狂った老人の妄想なんじゃないかとか思っちゃってさ、めちゃくちゃ怖いのよ。壁一面にからくり掛け時計が何十個もあって、それは売り物じゃないから売らない。妻が素敵って褒めてくれた思い出の品だから売らないらしいんだけど、ほんとなの?奥さん実在してるのか?みたいな。
サイコホラーにも見えてくる。そんな感じで終始怖い。ピノキオが陽気にすればするほど怖さが増していく。ゼペット爺さんがピノキオをほんとの息子のようにかわいがればかわいがるほど怖い。なんだろう。もうちょっとアニメっぽい絵柄で作ってほしかったかな。
人形劇も怖いし、子供がロバになるのも怖すぎなんだもの。ファンタジーというよりやっぱりホラーなんだよなあ、もはや。悪夢を見せ続けられてるみたいで、精神的にめちゃくちゃ疲れた映画だったです。
アニメのピノキオをちゃんと見たことないので、ストーリーや場面がそのままなのかこの映画ならではの改変がされてるのかはわからないんだけど、こんな怖い話なのかってけっこう衝撃を受けましたね。
なんかほんとは怖いグリム童話とか、ホントは怖いディスニーとかいうのがありませんでしたっけ?ファンタジー、夢の世界、希望と光の物語みたいにロマンチックなものと思ってるものが、実は原作では残酷で狂気と闇にまみれた怖いお話なんだよみたいなやつ。
ピノキオも原作はけっこう怖かったりするんでしょうか?いやー、とにかく怖い映画だった。ピノキオ怖い、ゼペット怖い、プレジャーアイランド怖すぎ、喋るコオロギ怖い。これ子供のころに見てたらトラウマになるぐらい怖い。