バナナフィッシュとかフラニーとゾーイーだっけ?とか読んだけどさっぱりよくわからなかったなあ。面白いわけでもなく、なにかかっこいいわけでもなく、ただただよくわからないというね。子供だったからよくわからなかったのかな?
いまだにライ麦畑でつかまえては毎年世界中で売れてるらしい。わからない。老人になった今読み直したらおもしろいのかな?でも読む気にはならないけど。
劇中で嫁になる人に、ライ麦畑でつかまえては特別なもんじゃない、他のとおんなじで愚痴を巻き散らかしてつまらなくおわるだけのもんでしょって言われてたけど、そうなんだと思う。
なんか名作とか伝説とか傑作とかいうのは、作られた時代の状況や文化史の流れのなかでの位置とかそういうのをわかったうえで鑑賞するから、良さがわかるもんだと思うわけだ。
サリンジャーが短編を書いて発表し始めたときの、時代的背景や小説、文学の当時の状況、そういう背景を知った上でないとなかなか難しいかも。
すごいベストセラーになって、ライ麦畑でつかまえての主人公はおれのことを書いているんだって勘違いするやつが大勢押しかけてくるぐらい時代の気分とマッチした作品だったらしい。
だから出版当時はすごいおもしろい小説だったんだろうね。だから今読んでもストレートに楽しむのは無理なんじゃないのかな。作品って時代を超えないと思うからなあ。
まあ、映画のほうは自伝映画以上でも以下でもない無難な感じでした。サリンジャーの親って裕福だったんだ。父親はベーコン王でサリンジャーにも同じ道をいって跡をついでほしかったみたいだけど、サリンジャーは大学行って文学やって小説家になる道を選ぶ。
母親の後押しもあって父親を説得して大学入り。そこで教授のケビン・スペイシーに出会う。彼がよき導き役となってサリンジャーは物書きとして鍛えられる。
短編をあちこち持ち込んで不採用になる。ケヴィン・スペイシーがやってる雑誌に原稿が採用されて25ドル稼いだことをきっかけに、苦しみながらも職業作家として歩き始める。
途中、戦争が始まって徴兵されて戦地にいって地獄を見たりとかありまして、帰ってきて戦場のことがフラッシュバックして眠れなくなったりもする。ヨガに出会って瞑想して乗り切る。
いろいろあってニューヨーカーに契約作家として採用される。長編を書くけど良さをわかってくれる人がなかなかいなくて困るけど、すぐに気に入ってくれる人が見つかって出版。そしてベストセラー。そして物書き引退。隠遁生活。
晩年は田舎の農場で引きこもって暮らして90歳超えの大往生。そして伝説へ。なんかサリンジャーの人生が小説みたいだね。