メリル・ストリープは夫との関係が冷めきっててもうダメなのかと思ってる。週末のアウトドアで川下りに家族でいくことになってたけど夫は仕事で来ないという。メガネの夫は仕事仕事の仕事人間です。
もうダメなのかなあって思って、まだ小さな息子と二人で川下りの準備してたら、夫がやってきて一緒に川下りすることになります。夫もなんとか家族関係を修復したいと思ってるんすよ。
夫婦関係の激流をのりこえることができるのかっていうのを、川下りの難所を家族で乗り越えることができるのかっていうのと重ね合わせてるわけですね。さあ、これから家族というボートは無事に川をくだってゴールできるのかっていうね。
さらにメリル・ストリープたちが乗り越えなきゃいけない困難の象徴としてケヴィン・ベーコンたちが出てきます。彼らも川を下るっていうことでちょっと仲良くなって、途中で合流するんだけど、彼らは実は銀行強盗犯で逃亡中の悪党だった。
ケヴィン・ベーコンたち悪党が出てきてサスペンスなムードもあるんだけど、彼らはあくまでもメリル・ストリープたちの家族が存続の危機に瀕している、困難に直面しているというのを象徴するキャラクターたちなので、彼らにつかまってメリル・ストリープたちが人質みたいになるサスペンスは形だけで、スリルや恐怖はあまりありません。
まあ、レンジャーを非情に撃ち殺したりと、ケヴィン・ベーコンは凶悪犯ですけど、メリル・ストリープたちにはそれほど手を出さない。メリル・ストリープが元ガイドでこの川に詳しいので頼らなきゃいけないからなんだけど、どうも緊張感が薄い。
まあそれで夫やメリル・ストリープや息子たちが協力しあって、川下りの難所を乗り越え、ケヴィン・ベーコンをぶっ倒してハッピーエンドってわけです。危機を乗り越えて家族関係は修復されたっていうわけ。
家族ドラマなら娘も参加させてほしかったなあ。娘のかわりにワンコがいましたけどね。あと気になったのは夫がかなりタフガイマッチョだったこと。てっきりもやしっ子タイプだと思ってた。メガネだし、川下りなのに仕事もってきてるし、こりゃアウトドアなんかまったく興味ないタイプだなって思ったら全然違った。
ケヴィン・ベーコンを助けるために川に飛び込んでいく。メガネはなくさない。泳ぎが達者すぎる。ケヴィン・ベーコンが溺れてるふりして旦那を沈めようとしても全然うまくいかない。暴れるケヴィン・ベーコンにパンチくらわして静かにさせるとか、めっちゃタフガイだ。
それに崖にへばりついてがんばったり、火をおこして狼煙でメリル・ストリープに合図をおくったりとか、ワイヤーで罠をつくってボート転覆させたりとか、夫めちゃくちゃアウトドアマンでびっくりです。
なんなんだろ、あれかな若い時は彼もメリル・ストリープと一緒にめちゃくちゃアウトドアやってたけど、だんだん仕事人間になったという設定なのかな。
まあ一番おもしろかったのは、メリル・ストリープの水浴びシーン。なぜ今水浴びし始めるのか?っていう不自然な水浴びシーンだった。メリル・ストリープの水浴びを影でじっと観察するケヴィン・ベーコン。なんだこのシーンみたいな。
この映画はスリラーじゃないので、怖さとかスリルの演出がいまいちになってるんすよねえ。