話がほんとよくわからなかった。ダニエル・クレイグとレア・セドゥがイチャイチャ新婚気分で楽しんでたけど、この二人はどういう関係だったっけ?全然覚えてないし、クリストフ・ヴァルツだっけが牢屋にいて頭おかしくなってたけどそれもなんだったかよくわからない。
よくわからないやつらがよくわからない状況でよくわからないことしてるみたいな。人間関係がよくわからないからちょっときつかったなあ。過去作見直してから見たほうがよかったかな。
それと最後がよくないですよ。もっといい死に様が他にあったんじゃないか。
いやー、最後は無理やりすぎないか?なんかもうちょっといい死に舞台を用意できなかったのかって思っちゃう。やっつけ仕事で適当に考えた最後に見えた。なんでミサイル攻撃しなきゃいけないのかよくわからなかった。なんか急ぎでミサイル撃たなきゃいけない理由あったっけ。見過ごしてたのかな。
ダニエル・クレイグがもう007はやりたくないって断っても断っても、いやもう1本だけってしつこく言われるから、死ぬんだったらいいよってことで出演することになって、死ぬことは決まってるけど、どう死ぬかはよく考えなかったみたいな感じしたなあ。
それに後半、突然子供とか出してきて、家族愛みたいなのを全面に押し出してきたのが違和感すごい。非情な007がファミリー愛打ち出してくるとは意外だったっすね。
なんかやっぱやっつけ感が強いかな。死ぬことになってるから無敵のボンドを死なせなきゃいけないけど、うまい死に方思いつかないから、ミサイル撃ち込んどけっていうやっつけ感。
なんかドラマが弱いから、子供がいたっていうことにしたらなんかドラマっぽくなるだろうっていうやっつけ感。
それに敵がよくわかんない。存在感ない。ラミ・マレックだっけ。影薄すぎ。敵としての存在感なさすぎなのをカバーするために、意味不明な日本趣味をかぶせてあるのがまた逆に存在感ないのを強調してしまってる。
こいつ存在感ないから奇抜なかっこうさせとこうみたいな。
能面かぶったり、畳や枯山水の庭園出してきたり奇をてらっても、お話上、存在感ないのは隠せない。変な日本趣味だしてきて、よかったのはダニエル・クレイグの土下座が見れたとこですかね。
007が土下座とか。過去のシリーズでショーン・コネリーが日本に行ってるやつありましたっけ?丹波哲郎とか出てるやつ。あれでも土下座はやってなかったですよね。
そんな感じでよくわからない話が続くんだけど、なんとか最後まで見れたのはアクションシーンがうまいからかなあ。適度な長さ、適度な刺激、ダレないうまい映像で作られたアクションシーンが適度な回数挟まれるからけっこう長い映画なのに飽きることはなかったです。
しかし、ダニエル・クレイグも年取ったなあ。まあ、カラダはごついけど、姿勢とか動きはさすがにお年寄り感がするもんね。007引退してるっていう設定だからロートルな佇まいは役とマッチしてよかったけど、元気すぎる。
引退してるのに、現役の若者世代と互角どころかそれ以上にやり合うスーパーおじいちゃん。007はあなたの番号よって新しい007に言わしめるのも納得か。あの新生007の人も最初あんだけイキってダニエル・クレイグを挑発するような態度だったのに、すぐに認める感じになるのはどういうことだって思ったけどね。
うーん、まあでも後半の家族愛押しと最後のすべてを悟ったような死はやめてほしかったなあ。スパイはどんな困難な状況でも生き残って生還するのが仕事だろ?無慈悲な殺しのライセンスをもつ一流スパイのジェームス・ボンドならなおさら、最後まであがいてなにか生き残る策を考えつくはず。
まあ、あれは自殺みたいなもんだけどね。やっぱジェームズ・ボンドは女を守って死んでほしくない。逆に昨日ベッドをともにした愛する女を今日は弾除けに使って自分は生き残るのがボンドだろ。愛した女を切り捨てる非情さが魅力なのに。
またそれを女のほうが望んでそうするところがいいんだけどなあ。女のほうが喜んで身を投げ出してボンドの盾になるって感じが最高に大人の世界でいいのに。だけど、そういうのは今の時代流行らないのかもですね。だから家族愛、子供への愛情みたいなのを持ち出すしかないのかな。
これでダニエル・クレイグボンドは終了だそうですけど、次は非情なスパイ007を復活させてほしい。眠たい家族愛とかやめて、任務遂行のためには愛すら使い捨てするみたいなのがいいですね。まあ、今の時代そこまでする必要がある任務っていうのがないから難しいかもなあ。