世界系ゲーム内のモブキャラであるライアン・レイノルズが自我に目覚めてプログラムにない行動をしだすっていう話なんすけど、彼は主役じゃなかったです。このゲームをもともと開発していた男女のプログラマー、ジョディ・カマーとジョー・キーリーが主役の話だった。
ジョディ・カマーとジョー・キーリーはかつて楽園でAIキャラクターが成長していくゲームを開発していた。それがどんな経緯かは知らんけど、悪役のタイカ・ワイティティにゲームを売ったかなんかで、今はジョー・キーリーはタイカの会社で管理業務するプログラマーとして働いてる。
その会社が作ってるゲームは架空の町でプレーヤーが自由に暴れまわるゲームです。モブキャラに暴力振るったり、銀行強盗したり、車で暴走したり、銃撃したりと、犯罪と暴力願望を満たすようなゲームなわけです。
ジョディ・カマーのほうは、このゲームって外側の見た目はまったく違うけど、自分たちが作っていたゲームのプログラムを使ってるんじゃないかと疑って、ゲーム内で証拠探しをしています。
なんかこのへんの事情はよくわかんなかったけど。なんであの川崎麻世みたいな悪役にゲームを売り渡したのか。乗っ取られたとかなんすかねえ。それにしてはなんでキーリーは川崎麻世の会社で働いているのか。よくわからない。
まあそれでゲーム内で女プログラマーとライアン・レイノルズが出会う。するとライアン・レイノルズはビビビときてプログラムが進化して毎日同じことするプログラムを逸脱して自由に行動し始める。そのうち彼の成長が女プログラマーが探していた証拠そのものだとわかって……みたいな。
結局、最後はジョディとジョーは、タイカの悪事の証拠を掴み勝利する。ライアン・レイノルズがジョディにひかれたのは、ジョーが彼女のデータをもとにプログラムしていたからで、仕事のパートナー、友達関係だった二人がお互いの恋心に気がついてハッピーにくっつくということになります。
だからライアン・レイノルズ側が主役の話じゃないんすよ。あくまでもリアル世界での男と女のプログラマーの話であって、ゲーム内キャラのライアン・レイノルズは脇役、モブキャラでしかない。
なんかライアン・レイノルズが主役みたいな勘違いさせるような作りになってるけど、彼は全然主役じゃない。単なるモブキャラなんすよねえ。モブキャラが自我に目覚めてやっぱりモブキャラだと気がつく話かな?
ライアン・レイノルズを主役の話にしちゃうと、ジム・キャリーの「トゥルーマン・ショー」そのままになっちゃうから変えたんだろね。
しっかし、最後、楽園でモブキャラたちが自由に行動するのを見るだけのゲームが大ヒットってなってたけど、あのゲーム流行りそうになかったなあ。あのゲームがのちのマトリックスにつながっていくのであったみたいな気がした。
誰しもが自由に生きて幸福しかない世界は、楽園ではなく地獄なんじゃないのか。自由だ、幸福だと最初は浮かれてたライアン・レイノルズたちだが、そのうち殺伐としてきて暴力と犯罪の街に逆戻りしそうだった。
まあ、ちょっと残念映画だったかなあ。ライアン・レイノルズが派手にアクションする映像は楽しいんだけど、ちょっと中盤だれますね。というのは、どこに行って何をすればいいのかっていうのが早々に判明するんだけど、なかなかそこに行かないのです。
まあ、行っちゃうと話終わっちゃうからなんだろうけど、なんかいらない時間稼ぎしてるだけに見えちゃってだるかったなあ。