これロケとかまったくせずにスタジオ内で全部作ったんじゃないの?って思ってみてたら、アクションシーンとかもこれってCGじゃないかみたいな人間離れした動きしてるんですよ。若いウィル・スミスの動きがスパイダーマン級の変態な動きしてて、この映画全部CGか?みたいな。
なんか若いウィル・スミスは完全にデジタルで作られてるんだって。モーションキャプチャーでウィル・スミスが演技しているデータの上にデジタルで作った若いウィル・スミスのCGをのっけてる。いやー、デジタルもこのレベルで人間の皮膚とか表情を再現できるようになってんだね。
ウィル・スミスに似ている若い俳優を使ってると言われても、そうなんだって違和感感じないレベルで生々しさがある。こんなのできるようになったら、俳優は全員デジタルで作ればいいんじゃないかって思った。
なんかそういう映画ありましたよね。俳優のデジタルデータをとって、デジタルの俳優を使って映画を作るようになってる未来世界の話の映画が。あれがもう現実になるレベルなんだなあ。
まあ、そういう映像的な技術のすごさに驚いた映画です。驚いたといえば、吹替で見たんすけど、ヒロインのメアリー・エリザベス・ウィンステッドの声をやってる人が下手すぎて驚いちゃったというのもあります。開始すぐから、ひでー吹替だな、どこの素人が声やってんだって感じだったんすけど、吹き替えしてたのは女優の菅野美穂だそうで。
菅野美穂ってそんな演技下手なイメージなかったからびっくりしたな。あまりにも声の演技できてなくて。俳優やタレントが映画の吹き替えやってめちゃくちゃ下手っていうことがけっこうあるけど、やっぱ声だけの演技ってそれなりに訓練してないと難しいんだろうなあ。
なんかすごく棒読みに聞こえちゃう吹き替えで、聞いていられない。
驚異のデジタル映像と驚異の吹き替えでなかなか楽しめました。お話はアクション映画でよくあるやつでした。昔に、ドルフ・ラングレンとかジャン=クロード・バンダムとかが主演してやってそうなアクション映画で懐かしかったなあ。
ウィル・スミスは最高の兵士で凄腕のスナイパー。最後の仕事を完了して引退することにするんだけど最後の仕事の標的はテロリストじゃなくて学者だったと仲間から伝えられる。とき同じくして何者から襲撃されて命を狙われる。
そんで逃亡しながら敵が誰なのか目的はなんなのかをさぐる。そしたらさ、若い刺客が襲ってくるんすけど、見た目がウィル・スミスに似ているわけ。若いけど、あれ俺となんか関係あるやつじゃね?って、戦いながら違和感を感じるウィル・スミス。
ヒロインがDNAを鑑定にだしたら、同一人物という結果がでて、こりゃウィル・スミスのクローンだわってなるわけ。このへんの展開は、安直すぎてなんで、ウィル・スミスのクローンだという結論にみんな最初から疑問ももたないし、そうだろうってさいしょから見当つけてるのかわかんないけどね。
見た目が似てるからクローンじゃないかって、遠目で見ただけでなぜかそういう結論を導き出すヒロインがなんか変でした。もともとそういうクローン化計画みたいなのを知ってたのかな?
まあそんでそのクローンはクライブ・オーウェンが作ってたわけ。最高の兵士であるウィル・スミス。しかし年取っていろいろと余計なことも考えだして、兵士として使い勝手が悪くなってくる。だったらウィル・スミスのDNAでクローン作って若いクローン兵で小隊組んだら最強じゃねっていうことらしいです。
クローンはひとりかと思ったらもうひとり作ってたっていうのがね。いったいどうやってそんなクローンを作ったのかっていう部分はまったく描かない。そこをばっさりカットしたのはよかったと思うね。
そういうSFチックな描写いれるとなんか安っぽさがでちゃうから。まあ話自体が安っぽいんだけどね。あくまでも気持ちの面でのドラマにフォーカスされてるのが、監督アン・リーさすがって感じかな。
荒唐無稽なクローン兵士の話で、父親と息子の心の葛藤とかさ、若い自分に命を狙われる奇妙な感覚とかさ、そういう部分に焦点あわせてくるのがいいと思ったね。まあ、めちゃくちゃな話だなって思うけどね。