エミリー・ブラントが主役。離婚した夫と生活した家が忘れられなくて通勤電車の窓から家の様子を眺めるのが日課なんすよ。元夫のジャスティン・セローは新しい妻レベッカ・ファーガソンと再婚して赤ん坊と3人家族で仲睦まじく暮らしている。
彼らのお隣さんの家もついでにのぞいてて、こっちはルーク・エヴァンスとヘイリー・ベネットのカップルで仲よさげで、理想のカップルだ、それにくらべてわたしはひとりで惨めだと、酒におぼれるエミリー・ブラントです。
前半はエミリー・ブラントがアル中で結婚生活をだいなしにして離婚されて、それでも未練たらしく元夫やかつて暮らした家に執着してつきまとう様子を描写します。完全にエミリー・ブラントが悪。クズ野郎だなみたいな。
いかに彼女が悪い女で、いかに暴力的で、記憶が曖昧で危ない存在かというのが描かれます。うわー、こりゃどうしようもないなみたいな。エミリー・ブラントは鼻とか頬骨のあたりをいつも赤らめてる筋金入りのアル中です。
酒のせいなのか、記憶が曖昧で、自分の行動を覚えていないことがよくある。気がついたら血だらけで怪我してたりするわけ。でも何があったのか思い出せない。そんなことがあったときに、ヘイリー・ベネットが失踪した事件がおきます。
なにか事件に関係してそうな気がするけど思い出せない。でも重要ななにかを自分は知ってるし、したような気がする。それでエミリー・ブラントが事件をさぐるってわけ。
それで最後真相がわかると、ほんとのクズ野郎は彼女じゃなくてこいつだったというのがわかるわけ。アル中女のストーカー話かと思って見てたら、実はクズ男の犠牲になった悲しき女たちの物語だったというね。
エミリー・ブラントの役作りがうますぎてほんと危ない人に見えちゃった。危ない女の危ない行動をたっぷり見せられ続けるのでけっこううんざりするかもです。それで結末も後味悪いものなのでけっこううんざりです。
鬱な気持ちになる映画っていうかねえ。ただただ虐待されて傷ついて救われない女たちを見せつけられるだけなので。3人の女が犠牲になるのを見てるだけ。
一人は殺されちゃうし、一人は自分がすべて悪いと思い込まされてアル中にまで追い込まれて、一人は浮気グセのある男だけどそこを我慢すれば幸せな家庭を築けると思ってたのに裏切られて、そして結局、その男の支配と虐待から自由になるには、相手を殺すとこまでいかないといけないわけだし。
怖いなあ。結婚とか交際とか怖くなるね。つきあった相手が精神的にも肉体的にも暴力平気でふるえるようなやつで、支配してきてそれから逃れるには人生をかけなきゃいけないとかなったらどうする?
自分の人生がよくなると思って一緒になった相手が人生を台無しにする相手だったとしたら。こんな恐ろしいことがあるだろうか。