出会いと別れ。いや、別れてないか。いったん関係ができてしまうとめんどくさくなっても関係を終わらせることができないみたいな。腐れ縁ていうやつですかみたいな。門脇麦と小松奈々が二人組みの弾き語り歌手で成田凌がローディー兼マネジャーみたいななんでも屋。
この3人がどうして出会って、今どうして解散しようとしているのかを見せていく。解散前の最後のツアーに出るのが現在。門脇麦と小松奈々の仲がめちゃくちゃ悪い。最後ぐらいちゃんとやれよと成田凌がなだめてなんとかライブだけはちゃんとやるみたいな。
その現在の描写の合間に、過去の回想がはいる。二人の出会い。3人になった経緯。ふたりの仲が悪くなっていく様子。そういうのが描かれて、最終ライブへむかって気持ちが高まっていきます。
この構成がよかったですね。最後のライブにむかっていくのと同時に過去のことがわかって3人にそれまで何があったのかがわかっていって、盛り上がっていくから。まあ、でもライブシーンとかはそんな盛り上がってなくてしらーっとしてましたけどね。
なんかもうちょっと熱い感じで描いてほしかったような気がする。なんか二人の歌ってる姿は、全然ライブ感がないんだよね。ゾンビがなんか歌ってるみたいで全然熱さがない。あれってもう解散だから、手を抜いて適当に歌ってるっていう演技なのかと思ったけど、そういうんじゃないみたいなんですよねえ。
あれがあのデュオの普段のパフォーマンスって感じなんすけど、あれじゃあ人気でないんじゃないのかって思ったけどね。少ないながら固定ファンもいるっていう設定で、ときどきファンの子たちが歌や歌詞に共鳴して感動してるみたいな描写もあった。
門脇麦が作詞作曲してて、その曲の世界観がうけてるみたいな感じ。小松奈々はビジュアル担当みたいで、ファン受けがいい。もともと門脇麦がさそって二人が一緒にやるようになった。小松奈々はやさぐれてるんすよ。
仕事もまじめにやんないし、育ちが悪いとか怒られてふてくされてるような世の中を敵視して生きてるような不良ガール。門脇麦にさそわれて一緒に音楽やることの喜びで、門脇麦のためだったらなんでもやるって感じになる。
でも門脇麦はこたえてくれないし、デュオが人気でてきても門脇麦の曲がいいからだという評価で自分は評価されない。そういうのが重なって、二人の関係は荒れていく。愛深きゆえに憎しみも深いみたいなことですかねえ。
門脇麦の設定がまたね、いろいろとあるんだなあ。女性が好きな女性で、幼馴染の女のことを未だに引きずってる。そういう闇があるからいい歌詞がかけるみたいなことでしょうか。
成田凌は昔ミュージシャンでバンドやっててレコードも出してるホスト。なんだろ、音楽やってたときの気持ちが忘れられなくて、彼女たちの音楽にふれてまた音楽にかかわりたくなったみたいなことかな。
成田凌は門脇麦のことが好き。門脇麦は過去にとらわれて音楽に逃げ込んでるから今は誰も好きになれない。小松奈々は二人に捨てられたらどうにかなっちゃうと不安定。3人がうまく噛み合わない。
そういう過去にいろいろあった3人が解散をきめて最後のツアーにでる。そして感動の最終ライブを終えて帰ってきた3人は、そこで解散となると思いきやそうはならずにグダグダでまた同じことを繰り返す。
まあ、なんだろな。物語としてなんかあるわけじゃなくて、3人の関係の雰囲気を楽しむ映画かな。雰囲気映画。