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『スティーブ・ジョブズ(原題:JOBS)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


スティーブ・ジョブズの伝記映画。アップルコンピュータ設立からiPod発売までの話。伝記映画はダイジェストになってしまって、ただの再現ドラマ風で終わることが多い。これもそうはそうなんだけど、題材がジョブズなのでけっこう面白く見れました。

ジョブズを演じるのはアシュトン・カッチャー。けっこういい雰囲気で演技してましたね。ジョブズ歩きしてるのが笑えた。

スティーブ・ジョブズってすごかったなあ。まるでロックスターだもんね。カリスマっていうかさ。パソコン作ってた会社の社長があんなにスター扱いされるってあんまないですよね。企業家が有名タレント並に有名。いや、会社や製品よりもジョブズのほうが有名でみんなが関心をもってたかも。

スティーブ・ジョブズが次になにを世にだすのか。ジョブズならあっというものを作るに違いないという期待感。失敗もいっぱいしてるけど、成功したときの成功のでかさがすごくて、ジョブズをまるで神のようにあがめるアップル信者たち。

スティーブ・ジョブズのすごいとこはユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスに徹底的にこだわったところですね。アップルの製品でそれまでまったくなかったけど新しく開発したという商品はないんじゃないかな。

パソコンはアップルが発明したわけじゃない。iPodも音楽を持ち歩くミュージックプレイヤーはすでにあった。iPhoneも通信機能をもった小型デバイスはすでにあった。

全部すでにあるものを改良したもの。どう改良するのかというところがすごいところなんだろね。一部のマニアや好事家たち、知識のある人たち向けではなく、まったく何も知らない、パソコンやプログラムに興味もない人たちに、直感的に使いたいと思わせるデザインで製品化する。

商品やサービスは、それを所有したい、操作して心地よい、使い手側が快感に思うように設計しなければ世の中を変えるほど浸透しない。そこに着目して異常にこだわるというのがジョブズの才能だったんだなあ。

プログラマーが常識はこうですとか、こういうもんなんですとか言うとジョブズが怒り狂ってその場でそのプログラマーを首にするシーンがありましたが、専門家がいう常識とか大嫌いだったんだろね。

そもそもジョブズってプログラマーでもなければエンジニアでもないんでしたっけ?だからなんだろなあ。テック系の知識はあるけど、技術者じゃないから、業界の常識にとらわれずに枠をとびこす発想ができたってことなんすかねえ。

まあ、なんかジョブズ本人の人生がドラマチックなので、映画とかより本人について語りたくなっちゃいますね。ならず者をあつめてアップル設立。会社がでっかくなって創業者メンバーでもついてこれないやつはバッサリ切り捨てる冷酷なジョブズ。

妊娠したと言われて俺の子じゃないと冷酷に言うジョブズ。なのに新しいプロジェクトにリサという名前をつけるどういう心境なのかわからないジョブズ。会社をでっかくするためにマーケティングの天才を会社に招聘。業績が伸びない責任を押し付けあって関係悪化して、会社から追い出されるジョブズ。

味方だと思っていたやつに役員会で裏切られてへこむジョブズ。アップルに呼び戻されて権力の座に復帰するとまっさきに裏切り者を粛清するジョブズ。ジョナサン・アイブら若い才能あるデザイナーとともに新たなアップルを舵取りしていくジョブズ。

そんな感じのジョブズが見れます。実際どうだったんだろ。数々のエピソードから、ジョブズは短気で変わり者で傲慢で糞みたいなやつだったと言われているけど、才能だけはすごかったとみなが言う。

そんな稀代の傑物ジョブズがなくなってアップルは失速するのかと思いきや、今や時価総額3兆ドル企業ですよ。いやー、ここまで肥大化するとは誰が予想できたのか。iPad以降エポックメイキングな製品はとくにないけど、調子いいですよねえ。

iPhoneの新モデルやmacbookのM1プロセッサとかバージョンアップ商品が好評なのでわざわざ売れるかどうかわからない新開発商品を今だす必要もないのかな。

気になるのが、ジョブズがペンとかいらないよとタッチ操作のiPadとかiPhoneとか出したのに、今はiPadにペンとキーボードつけて使うことを提案して売ったりしてて、結局退化してるような感じなんすよねえ。PCの操作性も全然新しい進化はしてない。でも業績はそれで絶好調。

進化とか未来とか革命とかみんな言うけど、意外と人間は保守的でそれまでの慣れてるものを捨てられないっていうことなんすかね。ジョブズみたいな強烈なカリスマとリーダーシップでゴリ押ししないと世界は変わらない。そしてすぐに居心地のいい方向へ退化する。

DMM動画で「スティーブ・ジョブズ」を視聴する


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