体の変化や環境の変化。変わっていく自分がよくわからなくて苛立つ。その戸惑いを誰かに相談したくても気軽にそういう話をできる人はいない。親はなんだかほんとの親じゃないような気がしてしまう。まるで他人に思える。
同級生はなめられたらダメだと見栄をはったり自分を大きく見せようとしたりするから、素直に相談できない。なんかわかるなあ。思春期の孤立感。そういう思春期の変わっていく自分がどうにもならない感じをほんとに体が変異していくという形で見せるドラマです。
子供が子供のままでいられなくなっていく恐怖を描いていると考えればホラーといってもいいのかな?
主人公は15歳。親の仕事の都合で引っ越してきた。難しい年頃ですよねえ。母親の言うことすべてにイラつく。父親はしかるばかりで話を聞こうともしない。両親が他人のように思える。学校で不良グループと親しくなり、万引や男遊び、酒、パーティとかで憂さ晴らし。
そういう普通の思春期の若者によくある描写が続きます。それがだんだん変なことがおきる。彼女の体に異変がおきていく。足の指がくっつきはじめる。水槽の金魚を衝動的に食べてしまう。足に斑点があらわれる。それが鱗のようになってはがれる。
やばい。これはどうにかしないとと病院行ったりするんだけど医者もよくわからないみたいなのが怖くなって帰ってきちゃう。親にはもちろん相談できません。信頼関係ないからね。不良グループ仲間にもこんなこと言えない。
そういう孤独に追い詰められていく感じ。息が詰まっていく感じがよく描かれてます。あー、思春期のときってすごく追い詰められてたなあって思いますね。なんなんだろ。あの焦りというか、なにかに追いかけられているような閉塞感は。
まあ、それで彼女の体の変化はどんどんすすみます。脇にエラのようなものができる。自暴自棄になって酒をあおって男たちと乱交とかします。そこを不良仲間の女の子が助けにきてくれる。そしてついには足が魚の尾のように。そして彼女は海に帰る。
彼女は人魚だったのか。まあ、そこんところの設定はとくに何か描かれることはないです。親から実はお前は人魚なんだとかいう話もないです。なんか変な映画だったなあ。
魚人になって海に帰るっていうのは、思春期をむかえ親元を離れ、新しい世界に踏み出していくというのを意味してるんだろね。
DMM動画で「ブルー・マインド」を視聴する