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『ダーティ・ガイズ パリ風俗街潜入捜査線 (原題:L'AMOUR EST UNE FeTE/PARIS PIGALLE)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


潜入捜査ものだと思って見てたら、映画作りに熱中する映画キチたちの青春ものだった。何を言ってるのかよくわからないと思うけどほんとにそうなんだ。フランスの刑事ものなんだけど、変な映画だった。

風俗業界の脱税を取り締まるために警察が潜入捜査をする話です。二人の刑事にストリップ小屋の経営者をやらせて業界の大物に接近させてお金の流れをつきとめようという作戦です。

潜入する刑事はまったくキャラの違う二人。ひとりは独身で几帳面なイケメン。もうひとりは家庭持ちで粗野な不潔野郎。凸凹コンビっていうやつかな。時代は1980年代。ネット動画もマッチングアプリもない時代です。

潜入捜査といってもどっかポルノの会社とか店とかに潜入するわけではなく、自分たちでストリップ小屋を経営するんです。それがなんの違和感もなくうまくやってんの。ただの刑事なのに二人はほんとのストリップ小屋経営者のように自然にやってんの。

それでだんだんポルノ業界にいる自分のほうがほんとの自分みたいになっていきます。刑事としての自分や家庭のなかでの父親としての自分よりも、ポルノ業界でストリッパーたちと楽しくやってる自分のほうが楽しくなってきちゃってんの。

ストリップ小屋経営だけでなく、ポルノ映画制作にも乗り出す。今、ポルノ映画が熱いってことで。そんなときに何者かに襲撃されてストリップ小屋がボロボロに破壊されてしまう。うーん困った困ったってなって、業界の横のつながりで業界の大物を紹介される。

その大物こそが今回の作戦のターゲットであるわけです。近づいて親しくなれば金の流れを把握できるぞってことで、大物から金を借りたり、映画製作のための資金提供をうける契約をします。

このへんの前半の描写が捜査なんだかなんなんだかよくわからないんですよねえ。 普通にポルノ業界で働く人にしか見えない二人の刑事。家庭持ちの不潔は1日休暇で帰宅するんだけど、自宅での妻の相手や娘の相手がだるくてすぐに捜査に戻りたいと思ってしまう始末。

可愛くてあっけらかんとしたストリッパーたちとじゃれ合ったりクスリを楽しんだり、そういうのが楽しくなっちゃってんの。イケメンのほうは真面目に捜査は捜査だからと一線を画するのかと思いきや、新人の女の子に肩入れして夢中になってるし。

大物に呼び出されて森に連れて行かれる。これは、もしや潜入捜査がバレて殺されるのか!ってびくついていたら、この森いいとこだろ?いい場所だから見せたかったんだとか言われて、いけてる自宅に案内されます。

そこにはプールがあって、半裸の美女たちがくつろいでる。部屋を自由に使っていいぞって言われてシャワー浴びてるとさっそく美女が一緒にシャワーを浴びたいっていってるからよければっていわれて肉欲接待です。

美女と寝て、クスリをきめてみんなでボードゲームしたりとか、酒と肉欲とクスリの接待で仲間だと認められるイケメン。

もうダメですね。ふたりともミイラ取りがミイラになる状態です。まあそれで大物から資金を提供してもらってお城を借りてポルノ映画の撮影をすることになります。警察はこれで大物が現金を支払うところを現行犯でおさえることができるぞと、撮影の最後に踏み込んで逮捕する作戦を発動させます。

大物だけでなく、映画の撮影に参加してるポルノ女優や男優、監督、スタッフも見せしめで逮捕する計画なんすよ。でも二人は映画の撮影をするポルノ映画監督やストリッパーたちが純粋なやつらで悪党ではないのをそれまで一緒に過ごしたことで実感している。

で、どうするかというと警察を裏切って作戦が失敗するように工作します。そして映画の撮影は最後まで行われる。最終シーンを撮り終わると、時間は日没寸前。あたりは黄金色にそまるマジックアワー。

マジックアワーを奇跡がおきたように感じ魅了される撮影隊と刑事二人。映画作りに熱中する彼らにご褒美が授けられたのかもねという終わり方。なんだこれは~。実話がもとっていうのは、ポルノ業界の脱税を摘発するために潜入捜査がされたっていう部分なんだろね。

それ以外はフィクションなんだろうと思います。なんかもうちょっと捜査らしくできなかったもんかなあ。一応、車で張り込みとかやってたけど、二人の刑事が全然捜査官に見えない。ただのストリップ小屋経営兼ポルノ映画製作者にしか見えない。




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