ベレー帽かぶってないから気がつきにくいけど、あっ、手塚だ!ってなりました。あと鈴木清順も出てましたね。医者や患者を装って病院で盗みを働いてた男の役で。
そんなコミカルな面がありつつ、もうほんと暗い青春ドラマなんすけどね、中身は。暗いです。医学生ってなんかエリートっていうかさ、将来医者になる人たちなんだから、輝かしい未来の希望に溢れてるんだろって勝手に思ってるんだけど、実際はそんな明るい気分になれるもんじゃなさそうです。
なんかものすごく泥臭い。暗い青春。青春は屍をこえて。医学生の面々は思想にかぶれてるやつがいたり、子持ち所帯持ちの人いたり、成績がいいからというだけでなんとなく医学部を選んだだけのやつがいたりと、金持ちの開業医2代目ばっかりというわけではない。
人の生死を身近で感じ、医者として何ができるのかできないのかを突きつけられて、精神が追い込まれていく。実際おかしくなっちゃう人もいるだろうなあ。いやー、普通にきついと思うよ。死んでいく人、具合が悪くなっていく人のそばで仕事する医療関係者は。
共感力がもともと薄いか、意図的に他人への共感を遮断できるテクニックを身に着けたか、経験をつむことで感覚を麻痺させて慣れていったか、それがうまくできない人は医学部に入っても脱落していくのかも。
実際、医学部に入っても医者にならない人ってどのくらいいるのかな?ほとんどいないみたいだけど、よく考えたらおかしなことですよね。医学部行ってみたけど、医者には向いてないと思う人や、別のことしたいと思う人がたくさんいてもおかしくないと思うんだけど。やっぱ苦労して医学部はいってお金も時間もかかってもったいないから、一応医者になるのかな?
エピローグで学生たちのその後が語られてましたが、暗かったっすね。伊藤蘭演じる優等生が睡眠薬自殺していたっていうのが衝撃的。まあ、主人公の古尾谷雅人が恋人の中絶をした医者が偽医者だったことにショックをうけて精神を病んで白衣を黒いペンで塗りつぶしたりとかして、発狂してたのもたいがい暗い展開でしたけども。
まあ、その後精神科に入院して復学したってあったけど、大丈夫かな?ってちょっと不安になりました。この映画見ると、医者もただの人だよなあって感じます。なんか医者にたいして、すごい権威というか、知識があって病気のことなんでも知ってて、頼れる存在だという思い込みがあるけど、よく考えたらなんでも知ってるわけないし、ヤブ医者も相当いるし、腕のいい人悪い人、性格のいい人悪い人いろいろで、他の職業とかわらないよなと。
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