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ウディ・アレン監督『カフェ・ソサエティ(原題:CAFE SOCIETY)』【映画のあらすじとネタバレ感想】


前置きが長すぎる。話の本題に入るまで40分ぐらいあります。時代背景と設定と登場人物の紹介で40分もかけてる。話全然始まらない。やっとなんか話スタートしたなあと思ったら、またダラダラやりだして、なんとも気の抜けたサイダーみたいな映画だった。

なんだこのウッディ・アレンの出来損ないみたいな映画は、監督誰やねん!ってチェックしたらウディ・アレンでした。なんだ。通りでウディ・アレンっぽいわけだ。でも昔の切れ味がよかったときのウディ・アレン映画の感じじゃないですね。

なんかぼやけちゃって、全部が夢うつつみたいなぼんやり具合。舞台が1930年代のハリウッドで、上流階級社会の話だから、こういうぼんやりした雰囲気になってるのかな。そんなわけじゃなくて、何を描くのかの焦点が定まってないというかなんというか。

時が過ぎて、それは二度とは戻らない。儚き夢のような人生。という物語なんだけど、全然ピンとこないんだよなあ。NYに住んでるジェシー・アイゼンバーグがもっと刺激のある意味のある仕事をしたいと、ロスのハリウッドでエージェントとして成功している叔父を頼ってハリウッドに来る。

そこで叔父のスティーヴ・カレルについて雑用の仕事しながら役者や有名人や著名人たちと交流。休みは秘書のクリステン・スチュワートに街を案内してもらって彼女を好きになるのだが、彼女には旅にでている彼氏がいる。

まあ、実はその彼氏というのが叔父さんで、スティーヴ・カレルは長年連れ添ったなんの不満もない妻と別れてクリステン・スチュワートと一緒になろうかどうしようか迷ってる。それを知らないジェシー・アイゼンバーグはクリステン・スチュワートと結婚するとお熱。

クリステン・スチュワートは別れようとスティーヴ・カレルに言われて傷心。ジェシー・アイゼンバーグと付き合いはじめて、彼のことをいい人、あっちの相性もいいしって思い出すんだけど、スティーヴ・カレルがやっぱりよりを戻そうと言ってきて、そっちにいっちゃう。

えー、同年代の新しい男との恋愛よりも、不倫おじさんのほうをとるとは、女心はよくわからない。

そんな感じの恋のもつれが始まるのが映画が始まって40分ぐらいたってからです。遅い。それまでの40分の内容って1分ぐらいでダイジェスト的に済ませてもまったく問題ないような、薄い40分なんすよ。どうしてこんなにのんびりやるのか理解できない。

なにも見どころもない、重要でもない、ただのキャラ設定描写に40分もかけて、それからもとくにめくるめくドラマが始まるわけでもないのです。叔父とクリステン・スチュワートとの関係を知ったジェシー・アイゼンバーグが恋の闘志を燃やしてクリステン・スチュワートを奪いにいくとか、叔父とジェシー・アイゼンバーグとの間に競争が巻き起こるとか、そういう恋の三つ巴的な展開はまったくありません。

普通にジェシー・アイゼンバーグが傷心してNYに帰っていく。それでギャングやってる義理の兄かなんかが経営するナイトクラブの支配人やって順調満帆。そこに客ときたブレイク・ライヴリーといい感じになって結婚。

これもとくになんにもドラマ的なことは起きない。会ってすぐにいい感じになって結婚して子供ができてっていう、なんのおもしろみもない展開です。ナイトクラブの描写もなんか貧乏くさい。モデル美女、業界のお偉方、有名人、財界人、政治家、官僚、あらゆる上級階級の人間たちで賑わう噂のナイトクラブなのに、なんかこじんまりとしたしょぼい映像で、いまいち華やかさがなかったです。

なにからなにまでが絵空事というか、中身のない上っ面だけの話に見える。ナレーションで解説するからなおさらそう見える。誰々がこう思ったとか、誰々はこうしたとか、それナレーションでわざわざする必要あるのかなっていうのをナレーションで言うわけ。

まあ、そういうスタイルがウディ・アレンの映画のスタイルだからと言われればそうなんだけど、全然よくないです。

そして最後はクラブの支配人として成功しているジェシー・アイゼンバーグのところに、叔父と結婚したクリステン・スチュワートがやってきて再会。なんとなく昔のことを思い出して浮気。嫁のブレイク・ライヴリーに、あなたが昔の恋人とやってる夢を見たとか言われて、浮気を疑われるけど、なに言ってるんだい、そんなことないよってごまかすジェシー・アイゼンバーグ。

新年のカウントダウンパーティーでうかれる客たちを見て、今年はいろいろあったなあ、ギャングの兄貴が死刑になったりとか、クリステン・スチュワートと再会したりとか。ちょっと浮気とかしちゃったけど、もうあの昔のころの時間は過ぎ去ってしまって元には戻らない。

ジェシー・アイゼンバーグ、クリステン・スチュワート、お互い若いときみたいに、同じことやっても、あのときの二人が過ごした時間は取り戻せない。もう時は過ぎ去ってしまったのだ。クリステン・スチュワートも同じとき、同じことを思って黄昏れていたのだった。おしまい。

いやー、ちょっとぼんやりしすぎじゃないですか、この映画。引っかかるところが、映像にもお話にもない。ただ時間がすぎていくのをぼんやり見せていく。おもしろかったのは、クリステン・スチュワートの衣装かな。なんか最初のほうの若い時の衣装が子供のパジャマみたいな衣装でおかしかった。

あれが1930年代に流行った若者のファッションなんだろか?小学生みたいな服なんだよ。頭にリボンとかしちゃって、ほんと子供っぽいファッションで、大人のクリステン・スチュワートが着てるとアンバランスで違和感がすごくて笑えちゃったなあ。

おもしろかったのはそれぐらいですかね。あとスティーヴ・カレルが荒井注に似てるなって思ったところぐらいかな。


DMM動画で「カフェ・ソサエティ」を見る



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