|
音楽を奏でれば人は大抵のことから立ち直れる。
そういう音楽のちからを映画にしたって感じです。
最初見てたら、サクセスストーリーなのかなって思って見てました。
人生うまくいかなくて停滞中のマーク・ラファロと
キーラ・ナイトレイが出会って
レコーディングして再起する話。
よくあるそういうサクセス系の話っぽい始まり方です。
でも中盤から最後の締めでそういうんじゃないっていうのがわかります。
音楽のちからの映画なんすよねえ。
音楽には人の傷を癒やす力がある。
音楽には挫折した人を再びやる気にさせる前向きなパワーがある。
そういう映画だったのです。
だから、サクセス系のドラマだと思って見ている人にとっては、
なんにも描いてないふんわりした映画に思えてしまうかも。
サクセス物語なら、キーラ・ナイトレイのアルバムが大ヒットして
元カレを見返す展開になるだろうし、
マーク・ラファロはキーラ・ナイトレイとくっついちゃうだろうし、
成功してスターになって、おれたちを負け犬呼ばわりしたやつらを
見返してやったぜみたいなことになると思うんすよ。
でもこの映画はそういうの全然ないですから
音を楽しんで、癒やされていく人たちを描いていく。
サクセスドラマだと思うとふんわりして
なんも描けてないじゃないかって感じちゃう。
いやいやふんわりしてるだけの映画じゃないですよ、これは。
ちゃんと音楽のちからが描けています。
音楽のちからがこの映画の主題。
あのイヤホンをスプリッターにつないで
同じ曲を一緒に聞きながら町中を散策するシーン。
なんてことない町の風景が音楽が一緒だと
キラキラ輝いて見える。
気持ちも元気になっていく。
しかも、一人じゃなくて誰かと音楽とその時間を共有する素晴らしさ。
町のあちこちでバンド演奏してレコーディングするシーンの心地よさ。
音楽の偉大なるちからですね。
あー、なんか久しぶりにイヤホンして音楽を聞きながら
町をあちこち散歩したくなったね。
微妙な関係だった娘ともマーク・ラファロは
娘がギターを弾いてレコーディングに参加することでいい関係になる。
音楽のちからです。
元奥さんとの関係が再び好転し始めるのも
音楽のちからによってです。
スターになるための手段としての音楽、
お金持ちになるための音楽ではなくて
音を奏でて楽しむという
本来の音楽のちからってすごいよっていう映画なんすよ。
音楽のちからを描いたファンタジー映画。
まあ、なんでもかんでも音楽で解決!っていう描き方が
都合よすぎでリアリティまったくないよって感じる面はあるけど、
音楽は偉大っていう映画だから
そこはまあいいかってなりました。
ほんと久々にイヤホン耳に突っ込んで
音楽聴きながら町を散歩してみようかなって気分になったね。
コロナコロナで気が滅入るけど、
梅雨があけたら天気もよくなるし散歩日和到来ですな。
まあ、梅雨明けしたら日差しが強くなって
灼熱地獄がやってくるから散歩どころじゃなくなる季節になるんだけど。
・DMM動画で「はじまりのうた BEGIN AGAIN」を見る