1960年、石井輝男監督、三原葉子、細川俊夫出演の新東宝映画。
事件記者がヤクザのドラッグ販売網をさぐっていく話です。
赤線廃止後、地下に潜った売春やドラッグの闇を追うって感じの犯罪サスペンスのシリーズなんすかね。
今作はドラッグの闇ですね。
天知茂が手がかりの女を追いかけるうち
妖しげな占い師、ポン引きにはめられて目が覚めると自分のネクタイで絞殺された女の死体が。
組織に殺人犯に仕立てられた天地茂が、追い詰められながら組織のボスに迫っていくサスペンスです。
けっこうおもしろかったです。
ジャズをBGMに、犯罪ムードが盛り上がる映像になってた。
ハードボイルド、ノワール、のムードがありますね。
女装バー、海軍キャバレー、セクシーダンス。夜の街、あやしい女、犯罪の匂い。
孤立無援のタフガイが女の助けを借りてでっかい組織を壊滅に追い込む。
いいですね。
夜の女たちの存在感がいいですよねえ。
天知茂がいろいろ調べていくうちにいろんな女に出会っていく。
三原葉子の妖艶なセクシー。
三ツ矢歌子のモダンガールな無防備さ。
三ツ矢歌子は夜の女じゃなかったですけども
知らずに麻薬を仕込まれた人形の運搬をさせられてた女の子だっけ。
偶然、タクシー替わりに乗せてくれといってきた
三ツ矢歌子から麻薬のルートを発見するっていう流れは
いや、都合よすぎだろって思ったけど、
見せ方のスピード感がいいのですんなりと見れてうまかったです。
テンポがいいんすよえね、この映画。
なので前半、中盤とだれることなかったです。
後半、ちょっとだれたけどね。
あの三原葉子が缶詰買うシーンはなんか笑っちゃったな。
三原葉子のアジトでほとぼりさまそうってなって
アジトに行く前に缶詰でも買いこもうってなるんだけど、
レジしてるあいだにバスが来てしまって
ああ、バスが行っちゃう、レジがまだなのに、
ハラハラみたいな見せ方するんすけど、
そこまでして缶詰買う必要あるのかな?みたいな。
発車したバスに強引に乗り込もうとして
三原葉子がケガして人だかりになって目立っちゃうし。
どんだけ缶詰買いたいんだみたいな。
最後は天知茂が殺し屋をボコボコ。
そこに警官隊がきて連行。
ライバルの記者細川敏夫が、
いやー、お手柄だよ君の勝ちだと一件落着ってスピード解決すぎて笑っちゃうけども、
殺人容疑がはれるの早すぎ、
組織の全貌とか警察はいつ把握したのかとか
よくわからんけども、
細川俊夫や三ツ矢歌子がうまく証言してくれたってことなんだろね。
そしてしっぽり去っていく天知茂と三原葉子。
網走ホテルっていうのが粋な物言いでシビれる。
鍵穴にガムを詰め込んでお酒をかけるとあら不思議、
ガムが硬化して即席のスペアキーになっちゃったみたいな
おもしろシーンもあって飽きなかったですね。
ライン(地帯)シリーズ コンプリートBOX
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