任侠道に生きる藤純子が、虐げられた人々のために、
悪人に怒りの鉄拳制裁を下す極道映画です。
今回の敵は田んぼに汚水を垂れ流す工場利権にむらがるやつらです。
工場は軍需品を生産してるんすよ。
偉そうな軍人、大木実と地元のヤクザが結託。
農民たちに支払うべき保証金を懐にいれるなどしてるわけ。
昔ながらの任侠ヤクザの鶴田浩二は、
農民側にたっていろいろやるんだけど、
軍人とつながってる叔父貴に邪魔に思われてやられてしまう。
それで最後はすべてを知った藤純子が立ち上がり、
悪人どもを成敗っていう流れです。
けっこう面白かったですね。
男たちの人間関係や生き様がしっかり描かれていたので。
オープニングに出てくる傴僂男もちゃんとドラマがあるんだよ。
賭場でいかさましたと傴僂男が追われてるところに
藤純子が出くわして命を救う。
救われた恩を後半返す展開がある。
鶴田浩二の弟分が裏切って悪人たちとつながってる。
でも悪人になりきれず苦しくなって最後白状するとかね。
軍人の大木実の最後もいいですね。
藤純子と戦うのかと思いきや、
拳銃で自害します。
軍部に自分の悪事がバレたら軍法会議にかけられて処刑される。
もはやこれまで
そんな地獄は味わいたくないと自害を選ぶ。
悪党にも立場の違いでいろいろとあるのが面白い。
富司純子は最後、髪を振り乱して悪党退治するんすけど、
そこに無邪気に鶴田浩二の息子がお土産の色鉛筆で
おばちゃんの絵を描いたとやってくる。
鶴田浩二の幼い息子は藤純子になついてたんすよ。
血なまぐさい任侠道に生きる自分と、
純真で汚れていない娑婆の空気を感じさせる子供。
住む世界の違いに思わず涙する藤純子であった。
やっぱこのシリーズは、主役の藤純子は中心で存在してるだけでよくて、
その周囲の男たちの生き様がどうかっていうのが
きちんと描かれていると面白くなりますね。
悪いやつであろうが、いいヤツであろうが、
生きようが死のうが、それぞれにドラマがある。
そこがこのシリーズの面白みです。
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