石原裕次郎映画といえば、不良キャラ路線と優等生キャラ路線の
2つの路線があります。
今回は優等生。
武者小路実篤の「愛と死」を浅丘ルリ子と演じた作品。
石原裕次郎は建築家。
大学の助教授かなんかやってんの。
浅丘ルリ子は建築評論家の妹。
建築家と評論家が知り合った縁で
石原裕次郎と浅丘ルリ子が知り合って、お互い好きになって
いい感じになるのが前半。
浅丘ルリ子が開脚逆立ちをしたり、
歌謡ショーしたりと、ルリ子のかくし芸大会状態です。
結婚の約束をしたところで、
石原裕次郎にビエンナーレ受賞の褒美にヨーロッパ行きの話が持ち上がる。
欧州行きといっても3ヶ月の旅行みたいなもんですけどね。
二人の仲はアツアツで3ヶ月待つのももどかしいって感じなんすけど、
3ヶ月後、帰ってきたら結婚式をしようということで
石原裕次郎は出発。
ノルウェーやスウェーデンやグリーンランドですか、
あのへんの国に滞在して町の建築や火祭りなんかを見物するわけ。
その間手紙を書いて浅丘ルリ子と文通。
1959年の映画なので、
今みたいに海外行きが普通にできない時代ですよねえ。
海外に行くということが、
とてつもなく遠くに行くという距離のあることだった。
そんなに遠くに離れても
二人の愛の炎は弱まることなく順調に育まれていくんすけど、
3ヶ月がすぎ帰国するために
空港で飛行機を待っている石原裕次郎のもとに
電報が届く。
浅丘ルリ子が急死したという知らせです。
そんなバカなと運命の非情さを呪う石原裕次郎。
幸せの絶頂から奈落の底へっていう話。
武者小路実篤の原作は読んだことないんだけど、
悲恋ものの元祖みたいな感じなんですかね。
あっさりと突然に不幸は訪れる。
その運命の不幸にどう人間は対処すればいいのか。
浅丘ルリ子の死という運命に
このさきの人生をかけて向き合っていくという石原裕次郎。