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いぶし銀の駄作『ゲティ家の身代金(原題:ALL THE MONEY IN THE WORLD)』【映画のネタバレ感想】



映像クオリティの高い駄作「ゲティ家の身代金」

見るだけ時間の無駄だった。

誘拐事件の話なんだけどなんにもフックがない。

引っかかりがまったくない。

ただ誘拐がおきて終わったっていうだけで、

ドラマがない。

これはひどい駄作だなあ、監督はどいつだって

リドリー・スコットじゃないですか。

おかしいなあ、リドスコがこんなの作るんだ?って意外に思ったですね。

リドスコ監督ってちゃんとドラマをやる監督ですよね。

SFであろうが、刑事ものであろうが、犯罪映画だろうが

戦争映画だろうが、歴史ものだろうが主役となる人物がいて

そいつの葛藤のドラマを描く監督だと思ってた。

誰かを主役にして、その人間の紆余曲折をちゃんと描く監督。

でも、この映画は主役がいません。

身代金を払わないという大富豪が主役でもないし、

誘拐された孫が主役でもないし、

その母親が主役でもなく、

誘拐犯たちが主役というわけでもなく、

雇われた交渉人が主役というわけでもない。

誰の視点も中心になってない。

ただ映像の質の高い誘拐事件映像が垂れ流されるだけなので、

見てて退屈極まりないです。

最初の30分ぐらいで、これはあかんのちゃうかなっていう空気だった。

頑張って見終わって、

うわー、最後まで見て時間を無駄にしたって落ちこんだもんな。

なんなんだこれはって腹たったけど、

なんかさ、調べたら、この映画はもともとケヴィン・スペイシー主演で

撮影されてたらしいじゃないですか。

クリストファー・プラマーが演じてた大富豪役。

それがセクハラ問題がおきてケヴィン・スペイシーが降板になって

急遽、突貫工事でクリストファー・プラマーが代役で再撮影したんだって。

そういうドタバタのいわくつきの映画だったんだ。

まあでもケヴィン・スペイシーが主役だったとしても、

この脚本じゃ、おもしろくもなんともなかっただろうね。

てっきりキャストが急遽変更で撮影に時間をとれなかったから、

脚本も大幅に変更されて

大富豪の出番が少なくなって

もとは大富豪が主役の話になってたのに

ぼやけちゃったのかと思ったんすけど、

そういうわけでもないみたいです。

脚本が変更になったわけじゃないようなんですよ。

最初から主役不在の話だったんだ。

なんかさ、身代金を払わないクリストファー・プラマーと

身代金をはらってほしいミシェル・ウィリアムズのあいだで

もっとスリリングな駆け引きとかやりあいがある話を期待したんだけど、

全然なんにもないのよ。

いやあるけど、え?そんなので払うの?みたいな。

ミシェル・ウィリアムズは困った困ったっていう演技してるだけ。

クリストファー・プラマーは偉そうな演技してるだけ。

マーク・ウォルバーグはひどい。

おれはプロっていう雰囲気を醸し出してるだけで

なんの役にもたってない。

この役いるんかなみたいな必要ない役やってる。

マーク・ウォルバーグが演じる必要ある役なのか?みたいなどーでもいい役。

誰かをちゃんと主役にして撮らなきゃダメだよなあ。

実際の事件を元に映画をつくるっていっても、

登場人物を均等に扱ったらただの再現映像にしかならない。

クリストファー・プラマーを主軸にして、

世界一の大富豪なのにどうして身代金を払わないのかというのを

幼少期から描いて深堀りする金持ちの哲学を見せる伝記話にするとかさ。

はたまたミシェル・ウィリアムズがどうにかして

百戦錬磨の大富豪に打ち勝って身代金をはらわせようとする

母は強しのサスペンスにするとかさ。

それとも交渉人のマーク・ウォルバーグが活躍する誘拐犯とドンパチする

アクション映画にするとかさ。

誘拐された孫を主役にした富豪の孫として生まれたゆえの

苦難の話にするとかさ。

誘拐犯を主役にしてもよかったかも。

なんか誘拐犯の一人がいいヤツでしたみたいな演出あったけど、

あれもどうなんだろ、中途半端すぎないすか。

誰かを中心にして誰かのドラマとして作ってほしかったなあ。

こんなだるいどーでもいい感じの仕上がりは困る。

時間が無駄。

なぜゲティが世界一のお金持ちになって

ますます富を増やすのか、なぜお金を払わないのかが最後わかったのはよかった。

節税の鬼だったってことっすか。

税回避にならん支払いは切り詰め、節税できることには気前よく。

だから富がどんどん増える。

増えても使えない。

使えないからまた増えるみたいな。

投資という名目でなら使えたから美術品を買い漁ってたわけなんだ。

孫の身代金はとくにならんから出し渋る。

徹底してますね。

ケチとかそういうことじゃない。

稼ぐことは難しくない、いや難しいけども、

稼いだ富を減らさずに増やすことが難しいんだな。

儲ける仕組みに気づいてそれにとりつかれた男だったのかな。

家族や人情や何もかもよりも

儲けの仕組みを追求することに全力をかけたから大富豪になった。

そのへんの哲学っていうかな、どうしてそういう人間になったのか

みたいなとこを中心にして作ってほしかったなあ。

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DMM動画:ゲティ家の身代金


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