いろいろ要素を追加してアクションを強力にしてみたって感じの映画だった。
冒頭のアクションシーンはFPSゲームみたいな映像でした。
一人称視点のガンアクション映画ってなんかありましたね。
「ハードコア」でしたっけ。
あれみたいな映像で一人が大人数を相手に銃でナイフで戦う映像を
スピーディーに見せる。
つかみとしてはよかったです。
でも映画としては、あんまりうまくはできてなかったような気がします。
追加した要素、子供を出産するとか、
暗殺者として育ててくれたおじさんが黒幕とか、
そういうのがいまいちうまく機能してない。
主人公の悲哀となる要素なんだけど、
うまいこといってなかったです。
主人公の人は、悲しそうな顔して悲哀を背負ってますみたいな
演技を一生懸命してたんだけど、
いろいろ要素がとっちらかってるから
いまいちドラマティックに見えないんすよねえ。
親を殺されて、犯罪組織のおじさんに拾われて
小さいころから暗殺者として育てられて、
おじさんと結婚したけど、
おじさんが親の仇に殺されて主人公は敵を殲滅したところを
逮捕されて、政府の裏組織の施設に収容されて
政府のための暗殺者として生きる道を強制されます。
札付きの犯罪者を訓練して政府の暗殺者として使う部署らしいです。
訓練を終えてシャバにでてミッションをこなすことになる主人公。
訓練所で子供を出産してます。
おじさんとの子供。
そんでその子供と一緒に出所して暮らしてんすよ。
ちょっと無理あったなあ。
となりの部屋に管理者の男が住んでるんだけど、
偶然の隣人を装って主人公に猛烈アタックして恋仲になる。
主人公を管理、監視するためらしいんだけど、
そんなことする必要があるのかな?
よくわからんけどみたいな。
ニキータではシャバに出て、彼女の事情を知らない堅気の男と
恋人になったから、彼女に悲哀があったけど、
この映画の男は政府の人間で仕事で彼女に近づいてるだけなので、
仕事をこえた本気の恋心があろうが
主人公の彼女の悲哀にいまいちつながらない。
育ての親であり結婚もしたおじさんが
実は親を殺した黒幕だったという話も、
いや、気づけよ、いい加減みたいな感じでだるい。
おじさんが悪人だとわかってないのは主人公だけで
あとのみんな、観客もふくめてわかってるっていう状態が長い。
ドラマ部分の作りがよくないんだな。
だからアクションシーンは派手で迫力あるのに
いまいちのれない。
ドラマと連動してないアクションシーンに見えてしまうから。
最後も派手なアクションがばんばんあるんすよ。
バイクでのアクション、ビルでのアクション、バスでのアクション。
モーフィングっていうんすかね。
実写とCGかなんかの作り物との境目を
モーフィングでつないでるみたいな映像なので
動きにちょっと違和感というか、不自然さを感じる映像だったけどね。
ニキータを元にして、話を膨らませようとして
膨らまなかったみたいな。
あれこれ要素を追加しても、それをちゃんと料理できなければ
逆効果になる見本みたいな。
こういう企画ってけっこうありますよね。
あの映画とあの映画を組み合わせてとか、
あの映画に2つ3つ話をくっつけてとかみたいな映画。
そういうのでうまくいってるやつってあんまないような気がする。
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