とにかくだらだらとゆっくりと話が進行する。1994年の映画なので30年も前なのかあ。1990年代のハリウッドの映画って、今見返してみると展開がめちゃくちゃスローモーでだらだらしているのが多いです。
時間の進み方が遅い。なかなか話が先に進まない。そう感じてしまう作品が多い。なんでだろうなあ。1950年とか60年代のモノクロのものは映像も古いので展開が遅くてもそれほど違和感は感じない。
90年代とかになると映像はきれいで、見た目はよかったりするんですよねえ。でも話のテンポは古臭いので、よけいに違和感を感じてしまうのかもしれない。このウルフも見た目はすごくよかったです。
ジャック・ニコルソンの顔つきだけで見てられる。すんごい獣感がする。ジャック・ニコルソンって野性味ある顔してますよねえ。狼人間演じるのにまったく違和感ないです。ミシェル・ファイファーも見た目がすごくいい。いわゆる美人だなあって感じ。
ガルルルってなってるジャック・ニコルソンと美女のミシェル・ファイファーがならんでるだけで絵になる。ルックはいいんだ。でも話はつまんないです。
ジャック・ニコルソンは出版社の名編集者。出版社が大金持ちのクリストファー・プラマーに買収されることになって追い出されるか、閑職に左遷させられるを選ばなければならない。もうわしは疲れたよって感じで左遷を受け入れる方向になってます。
同僚のジェームズ・スペイダーが裏でこそこそやって嫁と浮気してたり、今回の買収で出世を目論んでたりする。そんな感じでくたびれ中年なジャック・ニコルソンなんすけど、でっかい狼に手を噛まれてから体に異変が起きていく。
異常に感覚が研ぎ澄まされ、聴覚、嗅覚が人間離れしたレベルになるし、老眼だった目も治る。ガッツもわいてくる。生命力にみなぎってくる。それで人気作家たちをつれて独立して新しい出版社を立ち上げる計画をぶち上げて、クリストファー・プラマーと交渉して会社にいい条件で残れるように再交渉。
ジェームズ・スペイダーと嫁の浮気現場をおさえて宣戦布告。ジェームズ・スペイダーは若いやり手でジャック・ニコルソンを踏み台にして出世しようとしてる嫌な奴。
ミシェル・ファイファーはクリストファー・プラマーの娘役です。ジャック・ニコルソンと知り合って、だんだんと惹かれていくみたいな感じ。
出版社でのいざこざがどうなるのか、ミシェル・ファイファーとの関係がどうなるか、ジャック・ニコルソンの狼の呪いが強くなっていって夜な夜な徘徊して血を求めるようになってるのがどう結末するのかって感じです。
それが全然盛り上がらない。これは何を軸に描きたいのかがわからないです。ミシェル・ファイファーとの恋愛ものとして描きたいのか、ジェームズ・スペイダーとの出世争いものとして描きたいのか、はたまた狼人間の恐ろしさを描くモンスターホラーにしたいのか。
どれも中途半端でどれもなんだかわからずおわります。ジャック・ニコルソンがジェームズ・スペイダーを噛んでジェームズ・スペイダーも狼男化。その後、ミシェル・ファイファーも狼のパワーを得て狼女化。闇夜に消えていく狼人間たち。
なんだこのエンディング。よくわからない。
ところどころおもしろシーンはありました。匂いで嫁さんの浮気を突き止めるジャック・ニコルソンとかね。トイレでジャック・ニコルソンがジェームズ・スペイダーに小便ひっかけるシーンとかも笑えた。
なにするんだよ?って言われて、縄張りをマーキングしてるんだとニヤニヤしながら小便を撒き散らすジャック・ニコルソン。靴にかかって、まったくなんだよ、スエードなのに……ってあきれるジェームズ・スペイダー。