人生に悲観し、なんの目的もなく、死を考える毎日で自ら精神病院に入院したロビン・ウィリアムス。そこで入院患者たちとの触れ合いを通して、困ってる人の助けになりたいと開眼。医者になるために医大に通いだす。
医学を学ぶ傍ら、患者と対等に気持ちのかよったやりとりをすることが、病に苦しむ患者の助けになると、大学の規則をやぶってやりたい放題します。学生は3年から病院で患者とやりとりするという規則を無視して勝手に大学病院に出入りして患者たちとやりとりします。
彼は教科書的な診察したり施術したりするわけではなく、患者の気持ちを和ませる、患者の気分を良くするために道化を演じたり、希望をかなえたりする。小児病棟の子供の患者をピエロになって笑わせる。
ガンの末期患者で小難しい男のもとに天使のすがたであらわれてブラックジョークをかまして意気投合。病で苦しむ患者に笑顔を取り戻させるのが、彼流の治療なのです。医者は権威たれ。医者は患者とは距離をとって感情移入してはいけない。
そう教える学長とは考え方が違うので、ことあるごとに衝突です。これはどっちも大事ですよねえ。冷静に医学でできることをやる面と、気持ちのほうのケアと。だけどあまりにも気持ちのケアのほうが遅れているのはそうだと思う。
患者を病名で呼ぶとか、診察するとき顔も見ないとか、人の気持ちを考えない医者の態度には誰しも心当たりがあるんじゃないすかね。実際に、病院にいって、こっちの顔を一度も見ずにカルテやデータだけ見て流れ作業のように診察する医者にあたったこともあります。
なんだこいつ?って思ったけど、医者のほうからしたら毎日毎日何人も何十人もやってきて、早く診察してこなしていかないと追いつかないからそういう態度になるんだろうけどね。
最初にロビン・ウィリアムスが入院していた精神病院の医者も、診察中、コーヒー飲むことに集中して上の空で、ロビンが変なことしゃべってもまったく気が付かない。
そんなの医者じゃないよってロビンは思う。それでロビン・ウィリアムスは無料の病院を作ることにします。病院というか、家です。患者も医者も同じ、お互いがお互いを助けるような関係でやりとりする形の病院。
まあ、理想の医者と患者、病院の在り方っていうかね。この映画は実話がもとになっているから、実際にそういう病院があるんだろうけど、継続していくのはなかなか難しそうですね。
型破りで規則に従わないロビン・ウィリアムスですが、学業の成績は良くてトップなので、ただの変な人というわけではない。同級のモニカ・ポッターも最初は拒絶してたけど、ロビンが成績優秀な上に我が道を行くすげえやつだとだんだんと認めていく。
そして二人は結ばれるんだけど、悲しいことに彼女が患者に殺されるという事件がおきてしまいます。精神不安定な患者の自殺の道連れとして撃ち殺されてしまう。患者の気持ちによりそうことの危険性。
困ってる人の気持ちを助けてあげたい、笑うことで免疫もあがるし、病気だからといって悲しい気持ちで過ごす必要なんてないっていう、スーパーポジティブマンだったロビン・ウィリアムスにこれほどの残酷な仕打ち。
それでまたロビン・ウィリアムスは全部投げてもとのどうでもいい人生に戻りそうになるんだけど、一緒にやってる仲間は続けるというし、嫌な野郎で仲も悪かったフィリップ・シーモア・ホフマンからも引き止められて頼られる。
亡くなった彼女が蝶になって励ましに来てくれたような出来事もあってロビンは立ち直ります。いやー、この展開はきつかったなあ。でも映画の全体の雰囲気は軽くてコメディなのであまり深刻すぎずに見れたけど。
そんなこんなで大変なことがいっぱいあったんだけど、映画のクライマックスとして用意だれている展開は、学長がロビンを退学処分にしたけど、それに異議申し立てして裁判かなんかで決着するという展開。
医大を卒業して医師免許とれるかどうかが映画のクライマックスってなんか、どうでもいいなって思えるんだけど、やっぱ無免許はダメですよねえってことですね。