大人になったヘレン・ハントは竜巻研究家になってんの。竜巻のデータを収集して分析すれば、竜巻の進路を予測することが可能になって、避難警報を早くだすことができて、助かる人も出てくると。父親を奪った竜巻への復讐です。
竜巻分析にのめり込むあまり、危険なことをやりすぎるヘレン・ハントについていけなくなったのか、夫のビル・バクストンとは別居中で離婚することになってます。ビルのほうは新しい彼女もいて、離婚届にサインもしてるんだけど、ヘレン・ハントはなにかとはぐらかして離婚届にサインをしません。
ヘレン・ハントは別れたくないんすよねえ。竜巻への興味や執念を理解してくれるのは、ビル・バクストンだという思いがあるから。一方、ビル・バクストンのほうも心底から彼女と別れたいと思ってない感じなのです。
離婚届にサインしてくれよ、新しい彼女と結婚するからってヘレン・ハントに直接言うんだけど、はぐらかしてサインしないヘレン・ハント。愛想が尽きて離婚になったのなら、こんななめた態度をとる相手に激怒するとか、嫌悪で直接あいたくないとか、なると思うんだけど、へらへらとヘレン・ハントのペースにあわせます。
竜巻を追っかけて、測定装置を竜巻に飲み込ませるというミッションに成り行きで同行することになる。小さなセンサーをばらまいて竜巻のデータをとるというアイディアはビルが考えた。それが形になってると喜ぶビル。
結局、ビル・バクストンは竜巻狂のヘレン・ハントに呆れて別れたいと思ったものの、竜巻をおっかけるスリルや竜巻発生のメカニズムを研究するおもしろさを忘れることができてない。竜巻に関して天才的な推察力があって、竜巻が進路変更するのを当てたりします。
竜巻を追っかけるうちに、彼女にはぼくがいないとだめなんだってなっていく。ヘレン・ハントはしめしめですよ。新しい彼女は、なにこれ?元カレとよろしく楽しくやっちゃって、わたしはなんなのっていうね。
呆れて当然。これから結婚しようかっていう男が元妻と楽しくいちゃついて、死ぬかもしれない危険なことを楽し気にやってたら、愛想をつかして当然だ。もうついていけないわ、別れましょって彼女のほうから切り出す。
これから結婚しようとしてた男と別れるというのに、まったく悲しくもないしなんともないのが不思議だわっていうほどあきれてしまう。竜巻を追っかけて興奮している姿によっぽど呆れたんですね。まあ、そうなりますわなあ。
ヘレン・ハントは計画どおり!ニヤッってなもんですよ。離婚届にサインせずに粘ったかいがあった。竜巻のおかげで新しい女に競り勝つことができたし、竜巻研究の優秀な相棒としての夫も取り戻せてばんばんざい。そういう恋愛ドラマだった。
災害パニック映画としては、映像がいまいちなのでイマイチでした。竜巻の映像がCGだと思うんだけど、かなり安っぽいです。1996年の映画なので仕方ないのかもしれない。CGが映画でさかんに使用されはじめたときなので、今の感覚から見るとかなりちゃっちい低クオリティです。
油絵みたいに見える。それに竜巻で車や牛が吹き飛ばされてるのに、主人公たちは飛ばされない。あんなに暴風だったら石とか砂とかゴミとかあらゆるものが飛んできて目も開けてられないし、飛んできた残骸で体中傷だらけになってそうなもんなのに、主人公たちはきれいなもんです。
竜巻ってそんなもんなの?っていう違和感がぬぐえない。まあ、実際の竜巻がどんななのかわからないので、こういうもんだと言われたらそれまでなんすけど。竜巻の恐怖感みたいなのが全然表現できてなかった。
まあ、音がね、怪獣の唸り声みたいで、竜巻を巨大な怪獣に見立ててるのかなって思ったけど、恐ろしさは感じなかったなあ。
あとはなんだろ。突然キューブリックの「シャイニング」が始まってびっくりしましたね。竜巻追っかけチームのメンバーたちが、いかにも変な変わり者でーすみたいなキャラばっかり集まってるのがおかしかった。
フィリップ・シーモア・ホフマンがいかにもオタクな感じで出てきて、そういや彼はこういうオタクっぽい役柄ばっかり最初はしてたなあって懐かしかったり。
ツイスターって初めて見たんだけど、こんな感じの恋愛ドラマがメインの話だったんだと驚いたよ。劇場公開当時は、牛が飛んでいくシーンがテレビのCMとかで流れてて、まじめでシリアスなタイプの災害ものかと思ってたんだけど、こんなにラブコメしていたとはね。