ワイヤーに吊り下げられた観月ありさや亡霊役の人や犯人役や菅井きんが対峙するみたいなシーンがけっこうな時間使って映される。なんだろ。躍動感というか、サイキックパワーの衝撃みたいなのが映像で作れてないというか。
なんであんなにテンポ悪く、じっとり間をとるんだろうか。なんかアクションシーンがいまいちでそこが残念だったですね。サイキックパワーの表現が宙に浮くだけなんすよ。これは当時の技術では宙に浮いて飛び回る映像とか作るのが無理だったからなのか、予算の都合でそうなったのか、宙に浮くだけですごいだろっていうことだったのかなんなのか。
やたらとみんな宙に浮く。菅井きんが病院のベッドの上に浮くとか意味ないと思ったけど、この映画では宙に浮くことがすごい超常現象が起きているという表現になってます。
観月ありさの棒読みなのかなんなのかよくわからない硬い台詞回しも、それが逆に謎めいた雰囲気を醸し出すことになってて、そこはなかなかよかったです。
お話は学園で発生した幽霊騒ぎをESP研究会のメンバーが調べるお話です。大沢健をリーダーに、島崎和歌子、観月ありさらが学園で巻き起こるポルターガイスト現象の解明に挑む。島崎和歌子がですわ口調のクリスチャンなのがおもしろい。
バラエティタレントのイメージあるけど、島崎和歌子って若いときはアイドルで映画でもお嬢様とか清楚な役やってましたね。それがバラドルブームとかで役者じゃなくてタレントとして成功した。人に歴史ありだなあ。
メンバーには暴走族のバイク乗りの女がいたり、パソコンいじるガリ勉がいたりします。
ほかにも知ってる顔がチラホラ出演してました。演劇部の筒井道隆。先生役の佐藤浩市。観月ありさのおばあちゃん役で菅井きん。観月ありさのお父さん役の佐藤B作。あとは小泉今日子が先生役で友情出演してました。
キャストはけっこういいし、演技もいい感じで映像も学園モノの雰囲気あってよかったんだけど、やっぱりアクションシーンが残念なんだよなあ。
降霊会をやってポルターガイストを起こす女生徒の霊を呼び出したら、みんな海の上空にワープさせられたりとか、そういうサイキック描写にスピード感がまったくありません。なにちんたらやってんだよみたいな。動きにとぼしくてあまりにも画面に変化なくて、あくびが出てくる。
とにかくワイヤーで吊られて棒立ちしてるっていう感じの絵面が続く。それがきついです。
アクションシーン以外はいい感じなんだよなあ。それが残念。学校の怪談というか、超能力学園というか、金田一少年の事件簿というかね。そういうムードは全然いいのよ。
最後、学園祭でサイキックバトルが始まるというのも良い。ワクワクするし。敵が甲冑姿っていうのもおもしろい。演劇部でハムレットやってて、その亡霊役をやってる女生徒がすべての元凶だったということで、ハムレットの亡霊役で甲冑姿なんすよ。
その格好のまま、セーラー服の観月ありさとサイキックバトルする。敵役の佐倉しおりは恐山出身でサイキックパワーをもってるという乱暴な設定もどうかと思うけど、観月ありさのほうもおばあちゃんが日本を代表する霊媒師でその血を引き継いでるからサイキックパワーがあるというふんわりした設定だからまあいいか。
まあ、佐倉しおりが悪いというよりも、演劇部のナンパチャラ男が一番悪いんだけどね。演劇部で主役をやるやつが、学園でも人気のイケメンという設定。そいつがいろんな女の子に手を出しまくるクズ男。
高校生なのに車を乗り回し、あっちこっちの女子に手を出しまくってる。他校の生徒にも手を出してて、その子が妊娠。それを見てた佐倉しおりが彼のためにその女生徒をサイキックパワーで海に身投げさせる。
その女生徒が無念で幽霊になって学園でポルターガイストを起こしてたってわけです。この演劇部のやつが最低じゃねえかみたいな。