リーアム・ニーソンは殺し屋。仕事が早い優秀な殺し屋なんすけど、高齢でアルツハイマー病の症状が出始めてて引退を考えていた。仕事の腕はまったく鈍ってないんだけど、鍵の場所を忘れたり、記憶が曖昧になったり、やばいなと感じ始めている。
兄貴がいて、老人ホームに入ってるんだけど、兄にもアルツハイマーの症状が出て加速してたので、自分もそうなるのではという予感がしていたわけです。でも優秀なので引退させてくれない。俺達に引退なんかないだろうと仲間に言われて、二人殺す仕事を引き受ける。
ターゲットは人身売買売春組織にとって都合の悪い人間で一人は子供です。その人身売買組織を追ってるFBIの役がガイ・ピアース。組織を追って証拠を得ようと捜査してるんだけどなかなかうまくいかない。
殺し屋とFBIの目を通して巨大な人身売買組織に迫っていくという仕立ての映画です。組織のボスでモニカ・ベルッチが出演してました。年齢いくつなんだろう。かなり高齢だと思うけど、老いにあらがって欲望に貪欲でどこまでも長生きして甘い汁を吸うぞという感じの魔女みたいな女を演じてたなあ。
リーアム・ニーソンもけっこう年齢いってますよね。リーアム・ニーソンがアクション俳優としてブレイクしたのが「96時間」でしたっけ。あれが2008年だからもう16年ですか。殺し屋だったり、ヤクザだったり、刑事だったり、警備員だったりいろんなタフガイを演じて、娯楽バイオレンス映画を量産してますが、今回はアルツハイマーの老境の殺し屋。
アルツハイマーの症状が進んでいるという自覚があるので薬飲んだり、腕にメモをマジックで書いたりしてる。この腕に文字を書くっていうのは、「メメント」みたいだと思ったな。メメントは入れ墨だったっけ?メメントの主役はガイ・ピアースでしたよね。今回のFBI役がガイ・ピアースなので、ちょっとしたお遊びで腕にメモするシーンいれたのかな。
病気の症状がどんどんすすんでいる感じなので、なんか危なっかしいんですけど、殺しの腕はものすごいです。鮮やかというか職人芸というか。長年やってきたプロの仕事って感じの手際の良さ。これは引退させないと思われるわけだって感じ。
ガイ・ピアースのほうは熱血捜査官ですかねえ。大規模な人身売買組織を追うことに執念をもってるんだけど、なかなかうまくいかない。上司はワシントンからの圧力があるので、捜査に及び腰でたびたび衝突します。
移民を売り買いして、子供に売春させる組織が確実に存在するというのに、確証がないから起訴できないとか言われてもどかしい思いをする。
まあ、そんでリーアム・ニーソンがいつも通りに仕事して2人を始末してたら捜査は暗礁にのりあげてたと思うけど、リーアム・ニーソンは二人目のターゲットの少女を殺すのをやめる。そしてFBI側に接触してきたり、組織の殺し屋を殺したりとイレギュラーな動きをし始める。
子供を虐待するやつは許さ~んってことらしいです。大人はさんざん暗殺してきたけどね。それを糸口に組織に迫ろうとするガイ・ピアース。その攻防というか、リーアム・ニーソン、組織、ガイ・ピアースら現場の捜査官、上司ら上層部の四つ巴の行方が描かれる。
最後はリーアム・ニーソンはアルツハイマーがすすみすぎて銃を分解組み立てしたときに撃針を組み込むのを忘れて銃弾が発射できずモニカ・ベルッチを仕留められず、病院で立てこもるも討ち死に。
証拠の録音データのUSBメモリの隠し場所を発見したガイ・ピアースはこれで立件できるぞってなるけど、検事は証拠があっても殺し屋が死んで証人になれないならダメだなと立件しない。事件は未解決のままガイ・ピアースらのチームは解体です。
なんかね、組織の顧客に大金持ちや権力者たちがいっぱいいるから捜査がすすまないって感じみたいに描かれてましたね。このまま後味悪く終わるのかと思いきや、チームの一人、メキシコから来てたやつがモニカ・ベルッチを暗殺。
ガイ・ピアースが疑われないように、同僚の美人刑事がバーにさそってアリバイ作りという終わり方でした。これも後味悪いけどね。モニカ・ベルッチを暗殺したからといって、組織がなくなるのかというとなくならなさそうだし。
まあ、映像の感じとか、展開はテレビの刑事ドラマの感じなのでB級なムードがするんだけど、こういう裏の組織とか殺し屋とかのアクションドラマが好きならけっこう楽しめるかな。