この映画もそうなんだよなあ。つまんなくはないんだけど、こういう事実がありましたというのをダイジェストで見せられてるだけに感じてしまう。再現映像レベル。
女子のプロテニスプレーヤー、ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)が賞金額が男子にくらべて低すぎることに意義をとなえる。チケットは男子も女子もかわらない数売れているのに、なぜ女子は賞金が少ないのか。協会の男は、女子は男子に劣るから少ないのは当然じゃないかって主張する。
まあ、そういう時代ですね。男女同権運動が始まる初期のころだから、あからさまに性差を理由に男が上で女が下という主張がまかり通ってる時代。今もそういうとこありますけど、70年代はもっとひどかったでしょうねえ。
ところどころ、今じゃセクハラ、モラハラだと非難されそうなことが、当時は当然のこととして描かれてます。男は女人禁制クラブで遊んで、女は家にいて家事をする。それが当たり前。なぜなら男のほうが偉くて上だからみたいな。
エマ・ストーンはじゃあ、協会を抜けて自分たちで協会立ち上げて賛同する女子選手を集めてトーナメントツアーやるって動き出す。タバコ会社をスポンサーにして賞金額アップ、スタイリストを雇ってファッショナブルなウェアに身を包み、女子テニスを盛り上げる。
そんなときに試合を持ちかけられるんすよ。55歳の元世界チャンプの男子選手ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)から、フェミニスト対男性優位主義者、これは盛り上がるぞって。ボビー・リッグスはギャンブル依存症なんすね。
家族から呆れられて、見放される寸前。でもギャンブル大好きで、賭けテニスとかすぐやっちゃう。退屈から逃れるために賭けやるみたいな人なのかな。
この二人の試合がクライマックス。そこに至るまでを描くんだけど、ボビー・リッグスの描写はもっと少なくてもよかったような気がした。エマ・ストーン側の描写とスティーヴ・カレル側の描写が交互にあるから、テンポ悪くなってた。
スティーヴ・カレルは憎き敵役として象徴的に描いて、彼の家族の描写とかいらんかったんじゃないかなあ。だってこの映画ウーマンリブの映画だから。キングのほうを集中して描いたほうがよかったような気がしたな。