このディズニーの実写シリーズは苦手だね。ピノキオとかきつかったもんなあ。中途半端にクリーチャーがリアルなところがちょっときつい。このダンボも皮膚の感じとかめっちゃリアルなんだけど、動きとかはアニメっぽい。慣れないなあ。
もっとつるんとした質感で描いてもよかったんじゃないかなあ。もっとアニメーション成分を多めにしてほしい。
お話は家族の再生。ダンボと母親象、コリン・ファレルと娘、サーカス団の再生の物語です。異端者として爪弾きにされる存在が居場所を見つけるという話でもあります。でもどれも深く描かれているというわけじゃなくて、そういう話を描きたいんだろうなあみたいな薄味。
コリン・ファレルと子供たちがわかりあえたというわけでもない。コリン・ファレルは戦争に行ってる間に嫁は死んじゃって、自分は片腕なくして帰ってくる。浦島太郎状態。子供も小さいときのイメージのまま。
でも子供は大きくなっててちゃんと話ができる年齢になってる、娘のほうはとくに。でもコリン・ファレルはちゃんと話聞かないし、娘がダンボが飛んだといっても適当にあしらう。ガキがなんかおかしなこと言ってるなぐらいで流す。
そんな父親を見て、娘はこいつダメだなってなって自分は自分で好きなことをします。家族の再生とかまったく描かれない。なんとなく最後にいい感じになってますけど、全然交流のドラマが描かれない。
ダンボと母象との愛情もよくわからない。悪役のマイケル・キートンはそんなに悪いやつでもない。悪役は悪くないと意味ないよなあ。
エヴァ・グリーンは顔がいいですね。ディズニー顔だ。なんかたくらんでそうな腹に一物ある女っていう、ディズニーアニメとかででてくる悪女にぴったりの表情する。
監督はティム・バートンかあ。それにしては毒気がなかったような気がする。昔はティム・バートンは毒々しい映画作ってたのになあ。それがいまじゃ毒気もなんもない退屈なディズニー映画を作ってる。
ティム・バートンもかなり高齢だからそうなっちゃうのかなって思ったんだけど、なんか最近になってティム・バートンがディズニーに決別宣言したとかニュースになってましたね。ディズニーは均一化した作品作りになってて、異質なものを作ることができなくなってるとか。
ダンボで決定的になったんだとか。ダンボは自分だとか言ってますね。他者とは違う、異質であることを認めないのがディズニーだと。
ディズニーはアーティスト主導じゃなくて、マーケティングとかビジネス主導の作品作りになっているとは感じますねえ、たしかに。