中身は逃亡ものサスペンスです。大沢たかおが濡れ衣をきせられて逃亡して逃げながら調べて犯人を見つける感じです。そういうサスペンス・アクションを大沢たかおの家族の話とからめて描かれます。
AIの開発は嫁の松嶋菜々子とやってたけど、嫁が病気になって余命わずかになってしまって、治療にAIプログラムを使いたかったけど、法整備かなんかが整ってなくて断念した。そして松嶋菜々子がなくなってから、AIを病気治療に使えるようになってっていうAI開発の流れが描かれてました。
大沢たかおはAIをそういう人間を癒やすことにしか使わないというポリシーがあるわけです。警察とか軍事とかそういうのにAIプログラムを使わせない。それなのになぜかAIが暴走してしまう。暴走を仕組んだ首謀者として大沢たかおが犯人に仕立て上げられるってわけ。
娘がAIのサーバールームに閉じ込められてしまって早くAIを直して解錠しないとやばいというタイムリミットも設定されてるので、スピーディーに話は展開します。
ハア~ハア~ゼエゼエ~と慌ててる演技をする大沢たかお。うーん、なんかあせってる演技があんまりうまくなくてわざとらしく見えちゃったな。あちこち走り回ってがんばってましたけどね。
うーん、なんだろ。結局、AIが崩壊とかAIが暴走といってもさほど崩壊も暴走もしていないように見えてしまう。まあ、AIプログラム管理の心臓ペースメーカーとかあって、医療系にAIプログラムが入り込んでるから病人が困るっていうのはわかるけど、なんかさほど危機感を感じないのはなぜなのか。
絵作りがあんまりよくないからかな?なんかさ、テレビカメラに向かって、インタビューにこたえる市井の人たちみたいなシーンでパニックを表現してるんだけど、今どきテレビの映像ってどうなんだろって思っちゃう。
テレビのインタビューにこたえて喚いてる市民みたいなのを見せられても、リアルには思わない。むしろお笑いコントにしか見えなくなっちゃうもんなあ。
それに司令室コントね。司令室でおえらいさんがやつを見つけろ!と大声だしたり、オペレーターがあせった感じの演技して報告したり。お笑いコントなんすよねえ。緊迫感とか臨場感を俳優の演技とかセリフの言い方で出そうとしてるのが安っぽい。
めちゃくちゃ焦ってます!みたいな演技させてるのが、逆効果っていうかね。ほんとに焦ってるとき、そんな焦ってます演技みたいなことしないでしょみたいに冷めちゃう。これは演出力の問題だろうなあ。映像で緊迫感ある状況を演出できないから、俳優に焦ってます演技させてしまう。
やっぱこのへんなんだろな。ハリウッドや韓国映画のサスペンス・アクションと邦画のサスペンス・アクションに差があるのは。
うーん、あとなんといってもAIが影薄いのが残念ですね。設定が近未来だから、そんなすごい進歩してるわけじゃなくて、ちょっと便利な自動プログラムぐらいの感じなんですよ。人間と対話するとか、人間よりもすぐれているとか、そういうレベルのAIじゃない。
なんかもっとさ、すごいAIがでてきてもよかったのになあ。大沢たかおと敵が競り合ってたら、AIが独自で動き出して三つ巴の展開になるとかさ。そういうのが見たかったな。
あー、そうそう最後の娘救出のシーンもなんなんだろって感じしました。AI修正プログラムを映写してAIのカメラに見せて読み込ませるということらしいのだけど、うまくカメラのとこまで届かないので、倒れてる娘がうまく写真入れについてる鏡を反射させて読ませて成功って、どういうクライマックスなんだろ。
いや、なんかもっとなかったのかな、別のやつ。やったぞーってなっても、なんなんだこの変なサスペンスの作り方って思って話にぜんぜん入り込めないよ。