ピエロのかっこうした変質者を腕白坊主たちがボコボコにして終わってたような。違ったっけ。今作では大人になった彼らが再び町に戻ってきてまたピエロをボッコボコにするっていう話です。前作では棒かなんかで殴りまくってたような気がしたけど、今回は言葉責めです。
おまえはただのしょうもないピエロだ!ってみんなで侮蔑を浴びせまくる。そしたら変態ピエロは自信なくして、しゅんとしてどんどん小さくなって力を失ってしまう。そして心臓つかみだして潰して勝利!
うーん、なんなんだこの映画。よくわからない。スティーブン・キングの原作を読んだ記憶では、町に巣食う悪意とそれに気がついた子供たちが戦う青春小説だと思ったんだけど、この映画はただのびっくり箱系の驚かしアドベンチャー映画なんです。
異形のモンスターにおどかされてびっくりして最後はなんだかよくわからないけど退治したっていうつまらない話になっちゃってる。
子供時代の忘れたいような嫌な出来事を胸の奥に隠したままおとなになった主人公たちが、その子供時代のトラウマにけりをつけるっていう話なんだけど、全然そういうドラマとしてはうまくできてない。
頻繁に子供時代と大人時代の映像を切り替えて見せて、最後に仲間が戦いで死んでとか、町に戻ってこずに自殺を選んだ仲間の手紙とかしんみりさせようとしてるけど、見てて全然そういうしんみりした気持ちになりません。
やっぱ敵の見せ方がよくないと思う。ただの化け物だもん。ピエロとか老婆とか蜘蛛とかはそういう化け物というより、悪意や恐怖が形をもってたまたまそういう形ででてきたっていうだけで、もっと底しれぬ恐怖の存在がITだと思うんすよ。
大人たちは知ってか知らずか無視してないものとしているけども、子供にははっきりとそこにあるとわかる、それとしかいいようがない悪意。だから怖いわけで。
だって名前とかつけられないから“それ”って言ってるわけで。だから子供たちが戦う敵の姿はもっとあやふやっていうか正体不明でないとおかしい。あんな安っぽいお化け屋敷の人形みたいな描写にしちゃったら全然怖さがなくなってしまう。
グロくてきもい化け物と追いかけっこするのを延々と見せられる。遊星からの物体Xオマージュなのか、気持ちの悪い蜘蛛とかでてくるし。あと巣穴に入ってからの映像が、きれかけの蛍光灯がチカチカしてるみたいな映像ですごく鬱陶しかったなあ。
ただのアドベンチャーものでがっかりだ。よくある子供が主人公で神話の世界とか魔法の世界とかで冒険する系のやつと同じになっちゃってて、子供がわーわー言って楽しむアトラクション映画としてはいいんだろうけど、ちょっときつかったなあ。