そんで当日集まるんだけど、12人じゃなくて死体がひとつ部屋に寝かせられてて、これは誰なのか、誰が運んだのか、誰が殺した?のかみたいな謎がわいて、それを解決しないと自殺もできないと12人が議論して推理していくって感じです。
謎解きの合間にそれぞれの家庭の事情や自殺したい理由なども見せていく。そして謎解きも大詰めを迎え、真相が明らかになり大団円。やっぱ生きよう!ってことで解散です。まあ、そうなりますよねえみたいな。
自殺したいといっても、集まらないと実行できないような人たちなので、なにかの拍子でやっぱ死ななくていいってなるのも当然だなみたいな。うーん、現実ではこういう集まりで集まった人たちは、確実に集団自殺を完了してしまうみたいだけど、フィクションならこういう展開も悪くない。
途中で強引に自殺したり、殺し合いとかしださないか、ヒヤヒヤしてみてたけど、そういう怖いことにはならなかったですね。終始、みんな冷静に賢く議論と推理をやってた感じです。いや、殺そうと階段から突き落としたやつがいたっけ。
設定もおもしろいし、役者の演技もいい。女王様キャラの人とかいて、バラエティに富んでておもしろかったなあ。なぜ女王様口調?みたいな。
でも謎の部分がなあ。ミステリーのためのミステリーって感じがしちゃった。死体を連れてきた人と、死体を隠したりベッドに運んだりした人が別々だったという、意図せず複数の人間がかかわったことで起きた謎っていう、ミステリーでよくあるやつ。
まあ、死体じゃなくて植物状態の人で生きてるんですけどね。死体を隠す工作をやった二人がなんでそんなことを必死でやらないといけないのかよくわからない。階段から突き落とすのもなんでなのかよくわからない。
だからミステリーのためのミステリーに見えちゃう。謎解きのための謎解きって感じだから、どうもおもしろみがないです。面白みのない謎を名探偵コナン風の新田真剣佑とか、俳優たちの演技力で見れる感じに仕上げてる。
冒頭から最初の20分ぐらいはだるかったっすけどね。早く始まんないかなみたいな。集まるのにけっこう時間かかります。
最後のやっぱ死ぬのやめようってなる投票も、全員一致になるんだけど、そこまで心変わりするようななにかがあったのかなとも思ってしまった。いろいろあったけど、これで全員一致になるか?みたいな。
まあ死にたい子供たちっていうのがミソなんだろなあ。子ども。彼らは死にたいわけじゃない。死にたいぐらい孤立してたり苦悩してたりしてるっていうことなんだろね。子供なので狭い世界で生きてる。
死にたいんじゃなくて、今の自分が嫌だ、今の生きてる環境が嫌だ、生い立ちが、親が、病気が、事故がと嫌なことにとらわれてて、そこから逃れるのは死しかないと勘違いしてるだけ。
親や学校や芸能人や、せいぜいそのぐらいの狭さの世界でしか生きてないから、外にもっと別の世界や違う人がいるということがわからないから悩んで答えが見つからなくて、死にたいと思ってる。
それがこの日集まって初めて会って1日も一緒にいない人たちと話しただけなのに、なにかしら影響をうけたり与えたりして考え方が変化する。もともと死にたいわけじゃないと気がついたっていうかね。
子どもたちが集まっていろんな人生があると知ってすこし大人になったっていう青春ドラマとして見ましたね。ミステリーはおまけみたいなもんです。まだ子供だから、外に別の可能性があるという希望を見出すことができる。これが十二人の死にたいおとなたちだったら、最初に普通に死んで終わっちゃう話だと思うね。