今の相場はおかしい。なので大暴落する。大暴落したときに備えよう。という内容の本です。大暴落はやくきてほしいけど全然こないからめちゃくちゃ焦ってる感じがしました。
大暴落に備えるっていうのは良いのだが、いつ大暴落するのかは誰にもわからない。コロナショック後からの相場の動きを予め予測出来た人がいたのだろうか?いつおこるのかどれぐらいの規模なのかもわからない大暴落を待ち望む投資スタイルが果たして正解なのかという疑問がわく。
ここ一年、いつ暴落してもおかしくない、金融じゃぶじゃぶバブル崩壊だという声を常に聞いていたけども、蓋をあけてみればインデックス投資でも1年で30%の上昇、個別では100%や200%上昇しているものもざらにあるという強い上昇トレンド相場が続いている。
ダウ、ナスダック、S&P500は年高更新を繰り返す。1年前に投資を始めた人は、寝て起きたらまたお金が増えているという夢のような状況です。こんな相場のときに、いつおこるのかわからない暴落に備えてキャッシュを増やしていた人は、まるまるその上昇分を取りそこねている。実質マイナス。
下がったら買う、暴落で買うというやり方の難しさですね。今のような上昇トレンドにあると、暴落といえるほどの下落をする局面がないので、買いにいく場面がない。少し下げたところで、もう1段2段下げたら出動だと思ってもそこまで下がることがなく、簡単に上昇トレンドの中に戻っていってしまう。
もうこうなると暴落待ちの人はお手上げです。様子見している間にいつの間にか上昇していって置いてけぼり。
相場がおかしい、バブルだ、こんなはずはない。こういう思考にとらわれていると、身動きとれなくなってしまう。相場がおかしかろうが、バブルであろうが、トレンドが続いているときはついていくしかないんですね。
相場に上げ続け下げ続けはなく、いつかはトレンド転換するわけですけども、それがいつなのかは誰にもわからない。備えるのはいいけども、備えることが主目的になっちゃったら本末転倒です。
なんのために投資をするのか。お金を増やすためですよねえ。自分の相場観が正しいことを証明するためではないですよねえ。だったら相場がおかしかろうがなんだろうが上がってるうちは買っていくしかない。
よく投資格言で、人の逆を行けみたいなこと言うじゃないですか。人が買ってるときに売って、人が売ってるときに買えって。あれってトレンドが転換する直前の状況でのことであって、トレンドが続いているときにそんなことやってたら無限に損しますよね。
上昇トレンドが続いてみんな買ってるときに売ったらどうなるか。上昇にのれず置いてけぼりだし、空売りなんかしたら地獄を見る。下落トレンドでみんな売ってるときに買ったらどうなるか。下落に巻き込まれて含み損まみれで損切り地獄。
靴磨きの少年が株の話をし始めたから売って大暴落を回避したという投資小咄がありますが、そんなピンポイントでうまいタイミングでトレンド転換をとらえられることはまれ。靴磨きの少年が株の話をし始めてそのまましばらく上昇トレンドが続いて靴磨きの少年がタワマンとランボルギーニを手に入れて、売った投資家は大損したなんてこともあるわけで。
上昇トレンドにあるときに大暴落を待ち望むのはナンセンスではないのか。下がったときにどうするのかというプランを用意しておくのはいいことだけどね。晴天のときにレインコート着て長靴はいて傘さしてたらおかしい。雲行きがあやしくなって小雨がぽつぽつきてから傘の用意をすれば十分間に合う。