結局、刺激、それもセックスの刺激を追い求めてただけだったみたいな話です。ヘザー・グラハムは性的興奮を追い求めていただけで、相手のことをまったく見ていなかった。興奮させてくれる存在だからジョセフ・ファインズにひかれた。
ジョセフ・ファインズの過去やどういう男なのかなんていうことは、まったくどうでもよかったわけです。まあ、一人で盛り上がって、一人で疑心暗鬼になって、一人で去っていった。なんだこの独り相撲は。
なんかあらすじをみると、ヒッチコックみたいな映画かと思う。思い通りのパートナーと一緒になれて幸せの絶頂にある女が、些細なことをきっかけに夫に疑いの目をもち、不安がどんどん拡大していって、夫に殺されると思い出すみたいなやつ。なんかヒッチコックでそういうのありましたよね。
あれと同じような感じのサスペンスなんだけど、ちょっとなんか違うのは、ヘザー・グラハムが色情狂っぽいところ。同棲相手は退屈な男で全然興奮させてくれない。そんなときに街中で偶然横断歩道のボタンを押す時に手が触れ合ったジョセフ・ファインズとビビビときます。
ビビビときてすぐに意気投合して刺激的なセックスに溺れるヘザー・グラハム。ジョセフ・ファインズは登山家でちょっと影のある感じで、なんか陰湿なムードがあってエロいみたいな男。そこをひと目で見抜いて接近していくヘザー・グラハム。
これはもう色情狂でしょう。色情狂ゆえに、仲間がわかるっていうね。この男はなんかやばい。この男はわたしを興奮させてくれる。そういうのがピンとくるんだろね。四六時中そのことばっかり考えてるから、センサーの感度がいいんでしょう。
ジョセフ・ファインズのほうも、後ろめたさと身内が悪さしてるのを咎められないというのがあって、ちゃんと説明もしないし釈明もしない。こんなこと言ってもわかってもらえないっていう感じなんでしょうか。
それがまたヘザー・グラハムからしたらあやしくみえてしまう。で、最後、どういうことだったのかがわかって二人は終わってしまう。お互いさめちゃったってわけ。お互い、セックスのことだけに没頭していたときは、あんなに興奮していたのに、裏にどういう事情があったのかを知ってしまうとさめる。
そういうことなんだろうね。あれだけセクシーに見えて、わたしを興奮させてくれる男だったのが、変態だったのがわかってなえたみたいな。変態はプレイだけでたくさんってことだろなあ。
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