いやー、家族はつらいよを見るのは2本目なんすけど、もうお腹いっぱいですかねえ。もうくどいというか、コテコテの喜劇ドラマを見せられてもういいかなみたいな。
前半にこってり主婦の日常をやって、後半、揉め事がおきて急展開。家族会議でみんななにかといっちゃあ集まる。そして最後はお涙頂戴でなんとなくうまくいってよかったエンディング。
見事なもんです。山田洋次のやりすぎというか典型的キャラをだしてきてベタすぎることやらせる演出に、毎度、これどうなのかって思うけど、終わってみればそれなりに面白くてじんとくるみたいな。
いやー、よくできてると思うけど、さすがにもういいよっていうかね。家事がまったく評価されないっていう話をこってり見せられても、暗い気持ちになるだけだというか。映画で現実の嫌な面をさんざん見せられてもなあっていうかね。
これじゃあ家族はつらいよじゃなくて、映画を見るのはつらいよになっちゃう。これ4とか5とか6とかやっていったら地獄じゃないか?揉め事があって一応一件落着ってなるんだけど、本質はなんにも変わらないんですよ。
主婦の大変さを家族はまったく理解も評価もしないという揉め事が、解決してなにか変化があるのかというと、なんにもない。夏川結衣はこれからもいつものように一人で家事をやる。そして夫や子供はありがたみをすぐに忘れる。みんなで家事をやろうとはならない。
この一家はなにも変わらない。
フォーマットは出来上がってるから、いくらでも続編は作れそう。橋爪功や西村雅彦が古いタイプの男尊女卑キャラをやって揉め事起こす。それを下の世代の妻夫木聡が、今はそういう時代じゃないと正論をいって、変わらなきゃと説得。
そのパターンで介護問題とか家族のありかた問題とか仕事、働き方問題とか、よく言われている現代の問題をやっていったらできるわけで。三世代キャストいるから、年代ごとによく言われる問題をとりあげていけばいいわけで。
でももうそういうの見たいのかなっていうと、映画ではそういうのあんまり見たくないなあっていうね。
空き巣に入られて、夏川結衣を責める西村まさ彦。冷静に考えたり、正論で考えれば、夏川結衣は危険な目にあった被害者で大丈夫かと気遣いされて当然なのだが、西村まさ彦は、俺が必死に働いてる間に、へそくりまでやって、居眠りで空き巣に入られるなんていい気なもんだと憤る。
これほんとリアルなんだよなあ。家族って仲間であり自分の一部でもあり、守るべき大切な存在のはずなのに、現実はお荷物、自分を縛るうっとおしい存在だと思ってる人のほうが多い。
なんなんだろね。夫は妻や子供をうっとうしいと思い、妻は夫や子供をうっとうしいと思い、子供は親を鬱陶しいと思う。お互いがお互いを足を引っ張る存在だと思ってる。なんか不思議ですね、家族って。
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